メロンの有名7品種を紹介!-高級メロンはアールス・夕張-

初夏を彩る果実の1つであるメロン。

売場にはさまざまな品種が並びますが、それぞれの特徴というのは見た目だけではわかりませんよね。

そこで今回は数多く存在する品種のなかでも、有名な7品種に絞って特性を紹介します。

高級メロンのアールスメロン・夕張メロンについて知りたい方も必見ですよ。


メロンは本来は野菜

メロンはウリ科キュウリ属の果実(厳密には野菜)で、原産はインドといわれています。

その歴史は古く紀元前から存在しているメロンですが、日本で盛んに栽培されるようになったのはつい最近―――大正時代からなんですよ。

メロンの品種は数多く、網目の有無や果肉の色によって、大まかな区分がされています。

まず 果皮に網目(ネット)があるものは「ネット系」、ないものは「ノーネット系」と大別 されます。

そして 果肉の色は赤肉・青肉・白肉の3種類 存在しています。

以下に、代表的と思われる品種を選んで表にしてみました。

それでは、それぞれの品種を大別して詳しくみていきましょう。

ネット系赤肉メロン

網目があるネット系の赤肉メロンには、主な品種としてクインシーメロンと夕張メロンが挙げられます。

クインシーメロン

ネット系赤肉メロンの中でも、代表品種となっているクインシーメロン。

 緻密で美しいオレンジ色の果肉は、ジューシーで甘味も強く感じる ことができます。

 値段もお手頃 なので、同じネット系赤肉メロンの夕張メロンと比べると、買い求めやすいため人気があります。

夕張メロン

 夕張メロンは赤肉メロンのなかでも最高級の品質を誇る、高級メロン です。

※夕張メロンというのはブランド名で、正式な品種名は「夕張キング」といいます。

赤肉メロンの最高峰

北海道夕張市の特産品としても有名ですが、夕張メロンの名を称するには、厳しい検査基準をクリアしなければなりません。

そうした基準をクリアした夕張メロンは、 柔らかくジューシーな果肉を持ち、やさしい甘さを感じることができるメロン となっています。

しかしながら残念なことに、あまり日持ちはしません…。

そのため当初は北海道内のみでの流通しか行われておらず、とてもレアなメロンだったのですよ。

ネット系青肉メロン

網目があるネット系の青肉メロンには、主な品種としてアンデスメロンとアールスメロンが挙げられます。

アンデスメロン

青肉メロンのなかでも、人気が高いアンデスメロン。

ハウス栽培のため一年中入手可能なことや、 安価ながらもまるでアールスメロンのような上質な味わいを楽しめる ことが人気の理由となっています。

果肉は締まっていますが、熟すととろける食感に変化し、さらにおいしさが増します。

アールスメロン

アールスメロンは正式名称をアールスフェボリットといい、 高級メロンの代名詞・マスクメロンとして扱われています 

マスクメロンとは「じゃ香(musk)」のような香りがするメロンという意味合いがあり、本来特定の品種を指す言葉ではありません。

しかし一般的にマスクメロンと呼ばれるメロンの中で、最も有名なのがこのアールスメロンなので、アールスメロン=マスクメロンという認識となっているのです。

その特徴は、なんといっても果皮に現れる網目の繊細さといえるでしょう。

よく似た姿形のアンデスメロンと比較しても、アールスメロンのほうがより繊密な仕上がりとなっており、その違いは一目瞭然です。

もちろん 香りや味にも優れていて、やはり他のメロンとは一線を画す存在 となっています。

高級メロンの代名詞・マスクメロン

とはいえアールスメロンが高級であるのは、見た目の美しさやおいしさといった理由だけではありません。

その最大の理由として、 温室栽培で1つの株から1玉しか作られていない ということがあげられます。

1株に複数の玉がなっても、1玉だけ残して他は切り取ってしまうのです。

そうすることによって養分が残された1玉に集中するため、とても美味しいメロンに仕上がるというわけなのです。

このようにとても手間暇をかけて育てられているがゆえに、高級メロンとなっているのです。

特に有名なブランドメロンとして、静岡の特産・クラウンメロンがあります。

ノーネット系青肉メロン

ノーネット(果皮に網目がない)系青肉メロンの有名な品種として、プリンスメロンやハネジューメロンがあります。

プリンスメロン

 プリンスメロンは網目がなく、つるつるとしている果皮を持った小ぶりなメロン です。

果皮は白っぽい薄緑色で、 果肉は皮に近い部分が緑で種の付近はオレンジの2層 になっています。

そのため青肉メロンなのか赤肉メロンなのか、微妙なところですが分類上は青肉メロンになります。

 甘味はありますが、香りはあまり感じられません 

安価で求めやすいことから一時はとても人気があった品種ですが、アンデスメロンが登場してからは生産量が減少しています。

その原因には「安価でありながらおいしい」という特権をアンデスメロンに取って代わられてしまったことが大きいといわれています。

現在では売場でのシェアは大きくありませんが、根強い人気を保っているメロンです。

特に年配の方から「やっぱりプリンスメロンが一番」という意見が聞かれます。

 

 

ハネジューメロン

ハネジューメロンは果皮が白いノーネットメロンで、 果肉が青肉のものが主流ですが赤肉や白肉のものもあります 

ただし外側から中の果肉の色はわかりませんので、お買い求めの際には留意してください。

主にアメリカやメキシコで生産され、日本へは一年を通して輸入されています。

果肉は硬めでジューシー。

 さっぱりとした甘さがあり、国産のメロンとはまた一味違った味わい を楽しめます。

 国産メロンよりも安価で、買い求めやすさNo.1のメロン です。

ノーネット系白肉メロン

ノーネット(果皮に網目がない)系白肉メロンの代表品種は、ホームランメロンです。

ホームランメロン

果皮も果肉も白い!

ホームランメロンは、青肉ハネジューメロンと白肉ハネジューメロンの交配によって生まれた国産メロンです。

生みの親であるハネジューメロンの特性を引き継ぎ、 白い果皮とさわやかな甘さを持っています 

完熟すると、とろけるような食感になっておいしくなります。

親のハネジュー同様に 香りも弱めのメロン です。

主な産地

 メロン全体での主な産地は茨城・北海道・熊本 で、北から南まで盛んに生産されていることがみてとれます。

では品種ごとの主な産地もみてみましょう。

ネット系赤肉メロンであるクインシーメロンは茨城・熊本、夕張メロンは北海道。

ネット系青肉メロンであるアンデスメロンは茨城、アールスメロンは静岡。

ノーネット系青肉メロンであるプリンスメロンは熊本、ハネジューメロンは輸入品でアメリカやメキシコ。

ノーネット系白肉メロンであるホームランメロンは熊本。

以上のように、やはり茨城・北海道・熊本が一大産地となっています。

鮮度チェック方法

メロンの鮮度チェックでのポイントは、 傷みがあるかどうかと硬さが十分かどうか の2点になります。

まず 外側にカビが生えていないか、不自然な凹みがないか を確認しましょう。

カビはかなり長期間放置しなければ生えませんが、不自然な凹みはいつ生じでもおかしくありません。

メロンは人の手で強く押された部分から劣化していくことがあり、そのことによってその部分だけが凹んでしまうのです。

そして柔らかさのほうは正直メロンもバナナなどと同じで、熟している柔らかいものの方がいい!という方も多いため、 柔らかいからといって鮮度が悪いとはいえません 

ただ 柔らかい果肉だとカットした際に形が崩れやすいので、飾り切りなど見た目を重視する場合にはおすすめしません 

ちなみに柔らかくなったメロンは、「今が食べごろ」などといったシールを貼ってアピールすることが多くなっています。

柔らかい=劣化と考えず、熟していて食べごろだという発想の転換をしているわけなんですね。


以上、メロンの有名7品種を紹介してきました。

ここで、もう一度簡単におさらいしましょう。

庶民派メロンはクインシーメロンとアンデスメロン、高級メロンのは夕張メロンとアールスメロン。

輸入メロンはハネジューメロン、珍しい白肉メロンはホームランメロン。

実際のところ普段売場に並んでいるメロンも、安価なクインシーメロン・アンデスメロン・ハネジューメロンが多くなっています。

普段食べる分には、上記3品種のメロンで十分おいしさを味わえるのではないかと思います。

夕張メロンやアールスメロンは、なかなか手が出にくい価格なのが実情ですので、たまのごちそうとして・ご贈答用として利用するのがおすすめですよ。


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