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チンゲン菜・小松菜・ほうれん草、何が違うの?-代用はできる?-

小松菜・チンゲン菜・ほうれん草

葉物野菜といえばチンゲン菜や小松菜、ほうれん草を思い浮かべる人も多いことでしょう。

これらの野菜は手軽に使えて、料理に彩りを入れたいときに重宝することから、なくてはならない存在となっています。

しかしそれぞれの違いもわからないまま、適当に使っている人も少なくないようです。

もしやあなたも、「姿かたちが似ているから、どれも同じだろう」と思っていませんか?

しかしチンゲン菜・小松菜・ほうれん草には、それぞれちゃんと特性があり、どれも同じということはありません。

それぞれが持つ特性を理解し、適した調理をすることでおいしく味わうことができるわけです。

適当に使っていても、真のおいしさを感じることはできませんし、おいしくなるどころか逆にまずくなってしまいかねません。

そこで今回は、チンゲン菜・小松菜・ほうれん草の基本的な性質を紹介します。

これらの性質を知れば、それぞれの違いもおのずとわかることでしょう。


チンゲン菜

チンゲン菜は中国を原産とする、小松菜や白菜などと同じアブラナ科の野菜です。

日本へ伝わったのは日中国交回復が行われた1970年代頃で、この頃はチンゲン菜以外にも、さまざまな中国野菜が伝来したと言われています。

そのなかでも、チンゲン菜は日本人好みの味や食感をしていることから、一役人気の野菜になりました。

現在でも、 中華丼や担々麺などの中華料理に、チンゲン菜はよく用いられています 

オイスターソースやごま油との相性がよく、これらを使って炒めるだけでも、十分おいしくなります。

それからクリーム煮にしてもいいですし、意外にもチンゲン菜は炒めものと煮物のどちらにも合う野菜なんですよ。

そんな チンゲン菜は加熱してもシャキシャキの食感が残り、かつアクがなく煮崩れしない という特徴を持っています。

ちょっと地味な存在のように思えますが、使い勝手もいいので、隠れファンが多い野菜でもあります。

実際どんなスーパーに行っても、必ずチンゲン菜を取り扱っていますよね。

そんなチンゲン菜についてのデータを、簡単にまとめてみました。

レア度 ★☆☆☆☆
主な産地 茨城県・静岡県
主な調理法 クリーム煮・中華炒め
旬の時期 11月

チンゲン菜はあまり旬を意識しない野菜ですが、しいて言うなら11月頃が一番おいしく味わうことができるんです。

ちょうど寒くなってくる時期ですから、白菜の代わりとしてシチューや鍋の具にするのもいいでしょう。

最後にチンゲン菜についての豆知識をひとつ紹介します。

チンゲン菜は漢字で書くと「青梗菜」となります。

チンゲン菜軸(茎)の部分が青くなっている

この字面が表しているのは、梗(軸の部分)が青い菜っ葉ということになりますが、この軸が白いものも存在しています。

軸が白いものはチンゲン菜ではなく「パクチョイ」という名前で区別されています。

このパクチョイはとてもレアもので、取り扱っている店はほとんど見られません。

ちなみにチンゲン菜とパクチョイの違いは軸の色だけで、味には違いはありませんから、どちらを選んでも問題ないですよ。

小松菜

小松菜はアブラナ科の菜葉で、ツケナの一種です。

ツケナというのは、アブラナ科のなかでも結球しない(葉が重なり合わない)ものの総称で、チンゲン菜もその仲間となっています。

小松菜
チンゲン菜と混合されやすいが、茎の太さが違う

そもそも小松菜は、江戸時代にかぶの一種である茎立菜(くきたちな←ルビをふる)を改良して誕生した野菜です。

そして江戸(現在の東京都)の小松川付近で栽培が始まったことがきっかけで、小松菜と命名されました。

地名がそのまま青果物の名前になるケースも多いですが、小松菜もその一例というわけなんですね。

現在でも主な産地として、東京都をはじめとする関東地方が名を連ねています。

特に 東京都は全国を代表する小松菜の名産地 となっており、小松菜=東京都といっても過言ではありません。

ここで小松菜の基本的なデータについて、まとめておきます。

レア度 ★☆☆☆☆
主な産地 埼玉県・東京都・茨城県
主な調理法 味噌汁の具・おひたしなど
旬の時期 11月~3月
 小松菜はアクが少ないことから、おひたしから煮物や炒めものまで、幅広い料理に使いやすい 野菜です。

主な産地である関東地方では、お雑煮の具としてもよく用いられていますよね。

このように和風料理にはもちろんのこと、バター炒めなど洋風の味付けをしてもおいしくいただけます。

いつもならほうれん草を使うところを、たまには小松菜に変えてみるとまた新鮮な味わいとなるはずです。

また小松菜は白菜などと並んで、冬野菜を代表する野菜です。

 寒さに強く、また冷気によって甘みが増す小松菜 は、まさに一番おいしい時期が旬となっているわけなんですね。

ほうれん草

ヒユ科ホウレンソウ属のほうれん草は、ペルシャ地方が原産とされています。

ほうれん草の「ほうれん」という名前は、ペルシャ地方の菠薐(ほりん←ルビをふる)国から伝来したことが由来だとされています。

そして「ほりん」という読みがいつしか「ほうれん」と転訛されたというわけです。

日本へほうれん草が入ってきたのは江戸時代で、意外にも割と最近のことなんですよ。

ほうれん草小松菜とは葉の形が異なり、ギザギザしている

さて、ほうれん草には東洋種・西洋種・交配種と3つの種類が存在していますが、現在国内で流通しているものはそのほとんどが交配種となっています。

とはいえ最初に日本に伝来したのは東洋種で、のちに西洋種が入り、その後両種を掛け合わせた交配種が誕生したというわけです。

そのため交配種は、両種のいいところをうまく引き継いだ性質を持っています。

ただ個体によっては西洋種に近いものだったり、東洋種に近いものがあったりもしますが…。

前置きはこれくらいにして、ほうれん草の基本的なデータを紹介します。

レア度 ★☆☆☆☆
主な産地 千葉県・埼玉県・群馬県
主な品種 ちぢみほうれん草サラダほうれん草
主な調理法 ごま和え・おひたし・バター炒めなど
旬の時期 11月~2月

ほうれん草はさまざまな調理に用いられていますが、特にごま和えやおひたし、バター炒めにすると一段とおいしく感じるでしょう。

とはいえ、その他シチューの具や卵とじなんかにもよく使われており、 基本的には用途を問わない野菜 です。

ただ一つ注意しなければならないのは、 ほうれん草には強いアクがあるため、アク抜きの処理をしなければならない ということです。

アク抜きをしないまま食べると風味もおいしくないですし、健康上にも問題があるとされています。

そのため、アク抜き処理は必ず行うようにしましょう。

アク抜きが面倒な方はサラダほうれん草を使用すると、手間が省けるので便利です。

ちぢみほうれん草

ちぢみほうれん草は、その名の通り葉が縮れているほうれん草です。

別名として、寒締めほうれん草と呼ぶこともあります。

ちぢみほうれん草
一見するとほうれん草とは思えない姿

寒締めとは栽培方法の一種で途中までハウス栽培したのち、露地栽培に切り替えることを指します。

あえて寒気にさらすことで、甘みが増したほうれん草ができあがるのです。

 その甘さは、なんと糖度10度以上になることもある のだとか…。

 葉も肉厚で食べごたえのあるちぢみほうれん草 ですが、扱い方はふつうのほうれん草といたって同じです。

最後にちぢみほうれん草の基本的なデータを紹介します。

レア度 ★★★★☆
主な産地 群馬県など関東地方
旬の時期 12月~2月

ちぢみほうれん草は、比較的珍しい野菜となっています。

冬の限られた期間にしか出荷されていないことや、そもそも店頭に並ぶことがあまりないことから、入手困難なのです。

そのためちぢみほうれん草を使ってみたいという方は、見かけたらすぐに購入されることをおすすめします。

サラダほうれん草

 サラダほうれん草は、アクを少なく甘みが強くなるように改良されたほうれん草 です。

サラダほうれん草ふつうのほうれん草との違い、わかります?

そのため、 アク抜きせず生で食べてもおいしくいただけます 

見た目にも違いが見られ、ふつうのほうれん草よりも茎が細く葉の色が薄くなっていますから、間違えてしまうことはないでしょう。

サラダほうれん草についてのデータは少ないのですが、以下にまとめてみました。

レア度 ★★★☆☆
主な調理法 サラダ・おひたしなど

サラダやおひたしにはもちろん、ふつうのほうれん草の代用として使うことができて、とても便利なサラダほうれん草。

しかしサラダほうれん草は意外とマイナーな商品で、いつでもどこでも手に入るものではありません。

わざわざサラダほうれん草を品揃えとしている店は少数なのです。

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管理人

うちの店でも一時期サラダほうれん草を置いていましたが、扱いをやめました。思ったより売れないんですよね。サラダほうれん草は量が少なく割高なので、あえて選ぶ人はあまりいなかったようです。

そのため、サラダほうれん草はどちらかと言えばレアな商品といえるでしょう。

もしも店頭で買いたいのであれば、スーパーよりも農家の直売所のようなところに行ってみると、見つけることができるかもしれません。

チンゲン菜・小松菜・ほうれん草の鮮度チェック方法

チンゲン菜・小松菜・ほうれん草といった葉物野菜は、葉の状態で鮮度がわかります。

葉に表れる主な劣化サインは以下のとおりです。

  • 葉の色が黄色に変色する
  • 葉や茎が溶けてくる
  • 葉や茎がしおれてふにゃふにゃになる

以上のような異変が出ているものは、鮮度が落ちている証拠ですから避けましょう。

また 商品を一度手に持ってみて、他のものよりも軽いと感じたものも選ばないほうがいい ですね。

いくら見た目はきれいでも、水分が抜けてしまっておいしさが失われている可能性があります。

ここでひとつ注意してもらいたいのは、 表からは見えない内側が劣化してしまっている可能性もある 、ということです。

鮮度チェックのさいは、袋からいちいち取り出して見るわけにもいきませんから、こればかりはどうしようもないですね。

場合によっては、虫がついていることも…。

ただ 虫がついてしまったものは葉に穴が開いていたり、虫の糞が見えたりすることが多い ので、その点も念のためチェックしておきましょう。


いっけん、どれを使っても同じに思われがちなチンゲン菜・小松菜・ほうれん草。

しかしよく見ると、それぞれに違いがあって、適した料理も違っているんですね。

これら3種の葉物野菜について、要点を以下の表にまとめてみました。

チンゲン菜 シャキシャキ食感が特徴。
特に中華料理と相性バツグン。
白菜の代用としても○。
小松菜 アクが少なく食べやすい。
使いやすく、用途を問わない野菜。
基本的に和風料理でよく用いられる。
ほうれん草 アクがあるため、アク抜き必須。
和・洋・中、どの味付けにも合う。
寒締めのちぢみほうれん草は甘みが強くおいしい。
サラダほうれん草はアク抜き不要で便利、サラダに。

こうしてみると、チンゲン菜・小松菜・ほうれん草の違いがはっきりしますね。

それぞれ「どんな料理に適しているのか?」が重要な点だと思いますので、その部分をみてみましょう。

するとチンゲン菜は中華料理に、小松菜は和風料理に、ほうれん草は和風料理・洋風料理に適していることがわかります。

そこで、これらの葉物野菜はそれぞれの代用になるか?という点で考えると、答えは代用になるといえるでしょう。

チンゲン菜を洋風のクリーム煮にすることもありますし、小松菜ならバター炒め、ほうれん草は中華スープに使うことだってありますからね。

そう、つまりはこれらは似て非なるものではありますが、非常に近しい存在とも言えるわけです。

ですから、特別自分はこれじゃないと嫌だ!というわけでなければ、この3種のなかから一番安いものを選んで使用するかたちで問題ないでしょう。

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