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スーパーの試食、無人にすると効果的?!-心理的な理由-

スーパーで行われている試食販売、おいしそうで食べてみたくなりますよね。

しかし、そばにマネキンさん(売り子さん)がいると近寄りがたい感じがしませんか?

無人の試食なら食べるのに…と、遠慮してしまう人もいるかもしれませんね。

商品を売る側とすれば、マネキンさんを置くことによって試食をしてもらい、売上数を伸ばしたいと思惑があります。

しかしマネキンさんを置くのは逆効果で、試食をなかなか食べてもらえない可能性があるのです。


マネキンさんは、商品を売ることが仕事

そもそも マネキンさんを置いている理由は、ずばりお客さまを呼び込むため です。

ただ試食を置いておくよりも直接マネキンさんが声掛けすることによって、試食し購入してもらえると店側は考えているのです。

またマネキンさんが、お客さまからの商品の特徴や調理方法などの質問に対して答えてあげることによって、購入につながる可能性も高くなる[/su_highlight]ことも期待されています。

 マネキンさんの仕事を一言で表すならば、お客さまに商品を購入してもらうように促すこと だといえるでしょう。

マネキンがいると、お客さまは近寄りがたくなる

先述したように、商品の購入を促すために店側はマネキンさんを置いているわけです。

しかしマネキンさんを置いて呼び込みをすればするほど、お客さまは商品に近寄りがたく感じ、離れていってしまいます。

商品を売り込むために置いているマネキンさんの存在が、むしろ逆効果になってしまうなんて不思議なことですよね。

では、なぜマネキンさんがいるとお客さまが近寄りがたくなってしまうのでしょうか。

その理由は3つあります。

パーソナルスペースを侵略されたく(したく)ない

ここからは心理学的な話になりますが、人間は誰しもパーソナルスペースという個人的な空間を持っています。

 パーソナルスペースが他人に侵されると、私たちは不快感を感じる ようになっています。

身近な例では電車やバス・飲食店のカウンターなどで、知らない人の隣には普通座りませんよね。

必ず1人分は座席を開けて、座るのではないでしょうか。

これはつまり、自分のパーソナルスペースを侵されたくないのと同時に、相手のパーソナルスペースも侵したくないということの表れなのです。

…お客さまとマネキンさんに話を戻します。

 マネキンさんが立っていると近寄りがたいと感じるのは、他人のパーソナルスペースを侵したくない(自分も侵されたくない)という心理が働いている からだといえるでしょう。

食事する姿を他人に見られたくない

こちらも心理学面から理由を紐解いていきます。

突然ですがあなたは、試食をマネキンさんの目の前で抵抗なく食べられますか?

おそらく、少し抵抗があるのではないでしょうか。

ではなぜ 食べている姿を他人に見られることに抵抗感が出るのかといいますと、食事をしている姿が無防備な状態になる からです。

無防備な姿を他人(動物的に言えば敵)に見せるということは、いつ襲われてもおかしくないということになります。

そう、人間の本能として 無防備な姿を見せることは危険だと無意識に感じ取る わけなのです。

そのため他人の前で食事ができない、外食はできないといった方も存在しています。

一部では食事姿を見られることが恥ずかしい、と感じる人もいるようです。

マネキンさんから、購入を迫られることを恐れている

 マネキンさんのお仕事は商品を売り込むことですので、当然、商品を購入してもらうように売り込みをかけてきます 

あからさまに言わずとも、買ってくださいと必死さがにじみ出てしまっているのです。

お客さまもそのことはわかっているので、マネキンさんがいるときは試食したくとも我慢しているのです。

心理学面から見ると、人間はなにか人から施しを受けた場合、お返しをしなければならない気持ちになります。

この場合ですと、施しとはタダで試食する行為に該当し、お返しは商品を購入することだと当てはめることができます。

つまり試食してしまったら、マネキンさんに迫られて購入しなければならない、と考えてしまうのです。

そして マネキンさんからの勧誘に面と向かって断ることができない人は、断れないなら最初から食べないほうがいい、と思う わけなのです。

その証拠にマネキンさんが立っていたときはみんな素通りしていたのに、いなくなった途端お客さまが試食を食べだしたということが多々あります。

私も何度かその現場を目撃したことがありますが、無人試食の方が試食の減り方が早かったです。

マネキンさんがいるのといないのとではこんなにも違うのかと、驚きを隠せませんでしたね。


実はマネキンさんの必死に売り込みによって、多くの方が困ったり嫌な思いをしています。

そのため無人試食なら食べるけれど、マネキンさんがいるなら食べないという人がいるというわけです。

余談ですがマネキンさんが必死になるのは、売上ノルマが課せられているためなのです。

どの商品をどれだけ売り上げたのか、という報告を会社に報告しなければならず、規定に達しなかった場合は責任を問われることもあるのだとか。

しかし、そうして必死になればなるほど、お客さまが逃げて行ってしまうという悪循環に陥ってしまいます。

なんにせよ売上を作るには、とにかく試食してもらわなければ始まりません。

とにかく商品を食べてもらいたい!というのであれば、あえて無人にしてセルフ試食させる方が効果的だと思います。

ただし無人試食だとお客さまが気兼ねなく食べられていいのですが、店側としては食べられ損になってしまう可能性が高くなります。

とはいえマネキンさんを呼ぶにも経費がかかりますから、それ相応の実力がある人に来てもらわなければ、採算も取れません。

マネキンさんを呼んだほうがいいのか、無人試食のほうがいいのかは難しい問題ではありますが、どうせなら無人試食で様子を見てみるのがベストだと思います。