夏は大根おろしに冬はおでんなど煮物に、一年を通して大活躍してくれる大根。
しかし大根の品種によって、適している用途は異なります。
このページの主な大根の品種についての紹介を読めば、求める用途に適した大根がわかるようになり、よりおいしく大根を味わえるようになりますよ。
春の七草・すずしろとは大根のこと
大根はキャベツや白菜と同じアブラナ科の野菜で、その中のダイコン属に属しています。
春の七草・すずしろとは大根を指す言葉として有名 です。古くから日本人になじみのある大根ですが、その歴史は世界的に見ても古く、なんと紀元前にはすでに存在していたというのですから驚きですよね。
日本へは中国や朝鮮を経由し、弥生時代に伝来してきました。
そして江戸時代になると、江戸近郊が大根の特産地として名をはせ、全国でもさまざまな品種が誕生していきました。
現在でも、神奈川の三浦半島で生産される「三浦大根」は、有名な品種の1つとなっています。
大根のいろいろな品種
上記で多くの品種が存在していると述べましたが、実際のところスーパーの店頭で並んでいる大根は、ほとんどが青首大根1種類となっています。
地域によっては特産のもの(京野菜の聖護院大根や加賀野菜の源助大根など)も一緒に並んでいることもあります。
こちらのページでは、大根の中でも有名な品種にしぼって紹介をしていきます。
青首大根
市場に流通している大根の大部分を占める主要品種であり、 大根といえば通常この青首大根のことを指します 。
そのため、基本的にはあえて「青首大根」とは表記していません。
かつては、首が青くない「白首大根」も流通していましたが、今では青首大根に取って代わられてしまいました。
円筒形で水分が多く、甘みが強い分辛味が少ない性質 となっています。どんな用途にも対応できる、オールマイティな大根といえるでしょう。
辛味大根
その名が示すように、 辛味が強く水分が少ないことが特徴 の大根です。
見た目はミニサイズの大根といった姿で、人によっては小かぶのように見えるという方もいます。
大根おろしといった薬味として使用されることがほとんど で、辛味が強すぎるため煮物には向きません。ラディッシュ(二十日大根)
原産地はヨーロッパで、日本へは明治時代に伝来しました。
「二十日大根」という名称は日本名 であり、由来は種をまいてから約20日ほどで収穫できるからというところからきています。一見すると大根というよりミニ赤かぶのように見え、とてもキュートな姿をしています。
皮は赤いのですが中身は普通の大根同様に白くなっており、味はほんのり辛味があります 。生食がメインの品種であるため、主にサラダもしくは酢の物として食されています。
主な産地
大根は全国各地で生産されており、特定の地域のみ生産が盛んということもありません 。生産量の1位~5位までを挙げると、多い順から北海道・千葉・青森・鹿児島・宮崎となっています。
こうしてみると、寒冷地と温暖地でスパッと分かれてるような気もしますが、千葉や神奈川といった関東地方でも大根は盛んに生産されています。
むしろ、昔は関東地方が一大生産地として有名だったほどなんですよ。
鮮度チェック方法
大根は、一見して鮮度を判断するのが難しい野菜 といえるでしょう。なにせ、見た目で腐っている・溶けているということはよほどのことがない限りないのです。
そんな 大根の鮮度チェック方法としてよく用いられているのは、手に持った時の触感 です。
言葉で表すのはなかなか難しいのですが、 新鮮なものはピンと張っている感覚がします 。
一方鮮度が落ちたものは、ふにゃっとした感じになります。
この感覚は慣れてくると、1本触っただけですぐに判別することができるようになります。
よくわからないという方は売場の大根を数本、触って比べてみて下さい。
全部同じにしか感じないということでしたら、恐らくその店の品は鮮度がいいと思います(多分)
それから、 上部の葉っぱの部分が溶けていたり黄色くなっているものは鮮度が劣化しています ので避けましょう。
カットされたものの場合
以上は丸売り(1本売り)の場合の話になり、 カットされたものに関しては断面図を見て判断 します。
カット直後はみずみずしかった断面も、時間が経つとパリパリに割れてくる のです。ですが個人的にはそのパリパリ具合がわかりずらく、未だにカット大根は鮮度の判別が難しいと感じています。
そのため、できれば丸の大根1本を買って、ご家庭でカットすることをおすすめします。
日ごろ家庭料理に登場することも多い大根ですが、青首大根以外の辛味大根やラディッシュの存在は、あまりみなさん知らなかったのではないでしょうか。
店頭になかなか並ぶことがないレア大根ですが、見かけた際にはぜひぜひ使ってみて下さい。
いつもの大根とは違った、新鮮な味わいを楽しむことができるでしょう。