みなさんがスーパーで野菜や果物を買うさい、どんな点を気にしていますか?
価格も気になるかと思いますが、それ以上に商品の鮮度を重要視している方が多いのではないでしょうか。
野菜や果物は生で食べることもありますから、やはり新鮮なものを手に入れたいですよね。
そこで今回は、その店で売られている青果物が新鮮かどうかを見分けるための、5つのチェックポイントを紹介します。
今回紹介する4つのチェックポイントは商品そのものではなく、店の売場に焦点をあてています。
商品そのものの鮮度も大切ですが、それ以上に店での商品管理がしっかりできていなければ、結局店頭に並ぶのは鮮度が悪いものばかりになってしまうのです。
ですから商品はもとより、売場のほうもしっかりチェックして、商品の鮮度がしっかり保たれている店なのかどうかを判断してみてください。
店内の清掃・メンテナンスがしっかりされているか
商品を見る前に、まず店内の清掃やメンテナンスがしっかりされているかをチェックしてみましょう。
店が清潔だと商品も新鮮に感じるなぜなら、 店内が清潔であるかどうか、メンテナンスがされているかという点は商品の鮮度に関係している からです。
はっきり言って、店内の清掃やメンテナンスがされていないようであれば、商品の新鮮さを保つことは難しくなります。
それ以前にいくら商品が新鮮であっても、店が汚れていては商品まで汚く見えてしまいます。
まして青果部門は他の部門に比べてゴミが出やすく、しかも生ゴミも多いため、こまめに清掃をしなければなりません。
それらのゴミを放置しておけば虫が湧いたりなど、他の新鮮な商品にも影響を及ぼしかねないのです。
またメンテナンスという点については、たとえば冷蔵ケースの電気が切れていないか、売場の備品(商品を入れるカゴなど)に汚れや破損がないかをチェックしてみましょう。
特に冷蔵ケースの温度が適温かどうかは、商品管理のうえでとても重要な要素となっています。
商品の新鮮さを保つには、やはり適切な温度で商品が管理されていることが絶対条件ですからね。
以上のことから、 清掃やメンテナンスを怠っているようなお店は、往々にして商品管理もずさん だといえるでしょう。
冷蔵ケースの温度は適温か
青果物の多くは、冷蔵保管しなければなりません。
冷蔵保管といっても温度が低すぎてもいけませんし、高すぎると当然鮮度が悪くなっていきます。
つまり 冷蔵ケースの温度が適温でなければ、商品の劣化を早めることになってしまう のです。
そのため商品管理の一環として、スーパーやコンビニなどの小売店や飲食店では、冷蔵ケースの温度をしっかりチェックすることが必須となっています。
このことはHACCP(ハサップ)という、食品衛生管理のガイドラインでも定められいます。
なおHACCPは2020年に義務化されるため、すべての店で冷蔵ケースの温度をしっかりチェックすることが求められます。
現時点でも、ほとんどの店ではきちんと温度をチェックしているようですが、それでも未だにチェックが不十分な店もあります。
最悪の場合、冷蔵ケースが壊れたまま放置しているということも。
そのようなメンテナンスもろくにしていない店は、商品管理も適当であるに違いありません。
従業員は先入れ先出しを守って品出ししているか
品出しは、先入れ先出しで行わなければなりません。
先入れ先出しとは、先に入れたもの(=古い商品)を先に手前に出すという意味で、商品管理において守らなければならないルール となっています。もしこのルールを守らずに品出しをした場合、奥にある古いものがいつまで経っても売れず、気づいたときには、すでに鮮度劣化していて廃棄処分という事態になります。
お客さまのなかには、奥にある商品のほうが新しいと思って買う人もいますから、そのような人からすればだまされた!という気分になるでしょうね。
そのことを逆手に取って、あえて先入れ先出しを守らずに品出しをするような店もあります。
とはいえ品出しの基本は先入れ先出しですから、このルールを守っていない店の商品は商品管理に問題があると言わざるをえません。
みなさんも店の従業員が品出しをしていたら、その様子を一度チェックしてみてください。
商品管理をしっかりしている店では古い商品を一度どかして、新しい商品を奥に入れている はずです。商品はきれいに陳列されているか
商品管理がきちんとされているかどうかは、商品の陳列具合でも判別することができます。
商品がきれいに陳列されている店は商品の管理がしっかりされていて、商品の陳列が乱れている店は管理が不十分 だと言えます。なぜなら、いつも商品がきれいに陳列されている=鮮度チェックもこまめに行われていると判断できるからです。
商品の陳列を直すと同時に鮮度チェックは基本いっぽう商品の陳列が乱れている店は、従業員が商品に触る機会が少なく、商品管理を怠なっているとみなしていいでしょう。
そもそも売場が乱れていると、店全体がだらしない・汚いなどのマイナスイメージをお客さまから持たれてしまいます。
実際の商品は鮮度がよくても、売場をメンテナンスしていないとみなされると、その店に対する信用がなくなっていってしまうわけです。
ですから商品の陳列を整え、きれいな売場を保つよう心がけるのが、店として当たり前のことなのです。
そんな当たり前のこともできない店は、商品管理に対してもルーズな姿勢であるといえるでしょうね。
鮮度劣化した商品はちゃんと値引きされているか
いくら商品の陳列が整っていても、劣化している商品がそのまま売場に出ているようでは、適切な管理をしている店とは思えません。
そもそも劣化している商品が売場に出ていること自体、ふつうあってはならないことなんです。
とはいえ、青果物は時間の経過によって劣化が避けられないものですから、劣化したものすべてを売場から撤去することが難しいんですよね。
そこで劣化している商品は値引きをし、少しでも早く売りさばいていくということが店には求められます。
つまり青果部門では、値引きのタイミングやいくら値引きするかなどといったことも、商品管理をするうえで重要な項目となっているわけです。
劣化の度合いが軽いものは値引きで対処し、劣化が進んだものは見切り品として扱われ、それでも売れない場合は廃棄されるというのが、青果部門における商品管理のフローになっています。
以上のことを踏まえると、やはり 劣化した商品が値引きもされずにそのまま売場に出ている店は、商品管理が不十分である と言えるでしょう。
青果物の鮮度を左右するカギは、店の商品管理が行き届いているかどうかという部分になります。
せっかく新鮮な商品をバイヤーが仕入れてきても、店の管理不足で劣化させてしまえば、ただのゴミになってしまうわけで…。
逆に店が管理をしっかり行っていても、バイヤーが仕入れた商品の鮮度がよくなければ、意味がありません。
しかしあえて傷ものであるB~C級品のものを安く仕入れ、それを店の従業員が手直しをして出すという手法を取っているところもあります。
ですから一見すると新鮮そうに見える商品でも、もしかしたら手直しされているかもしれないと思っていてください。
正直なところ、本当に新鮮な青果物を手に入れたいのであれば、スーパーや八百屋さんよりもJAなどの直売所を選ぶことをおすすめします。
その理由としてはスーパーや八百屋は、各地域の中央卸売市場を通して仕入れているため、商品が収穫されてから店に並ぶまでのタイムラグが長くなるからです。
このことからスーパーで青果物を買うのであれば、どうしても鮮度の劣化は免れないということを念頭に入れておきましょう。