スーパーやコンビニで働く人たちの多くが、ノルマをクリアするために苦しんでいるとされています。
クリスマスケーキや恵方巻に課されるノルマは有名で、全国ニュースにもなったりしてますよね。
ノルマを達成できなければ罰金などのペナルティを課すとしているところもあり、企業は従業員に対してノルマ達成を煽っています。
その結果、必要のないケーキや恵方巻を購入し、廃棄するような事例があとを絶ちません。
従業員のなかには、わずかなバイト代をもすべて商品の購入代金に充てざるをえない、という人もいるようです。
そこで疑問となってくるのが、はたしてこんなノルマをこなす必要はあるのか?ということです。
従業員にとってはノルマが課せられる理由もよくわからないですし、未達成でペナルティなんてもってのほか。
ちまたではノルマ未達成時のペナルティは違法だともされていますし、ノルマ制度自体が悪の風習なのではないかと声が上がっています。
いったいなぜノルマを課すのか、ノルマをこなす必要はあるのか、ノルマ未達成でペナルティは違法なのか?
その答えをこれから述べていきます。
会社とメーカーの利得のためのノルマ
会社がノルマを従業員に課す理由は、一言で表すなら会社とメーカーの利得のため である、といえるでしょう。まず恵方巻などの自家製で製造している商品でしたら、単純に会社が売上と利益を多く得たいがゆえに、あえてノルマを課しているのです。
本来、お客さまの自由意志でたくさんの商品を買ってもらえれば、ノルマを設ける必要はありません。
しかしお客さまは流動的ですから、去年買ってくれた人が今年も買ってくれるかはわからないもの。
つまりお客さまの購入を期待しているだけでは、売上も利益もどれだけ取れるか不透明となります。
そこで 会社は従業員に対してノルマを課し、強制的に売上と利益が上がるように仕向ける のです。
そのため従業員は予約をひとつでも多く獲得するよう、会社から口酸っぱく言われるハメになります。
予約してもらえればその分の売上と利益は確定しますし、ロスも最小限に抑えられますから、これ以上会社にとっては都合のいいことはないでしょう。
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クリスマスケーキのような、メーカーから仕入れている商品でしたら、会社だけでなくメーカーも関係してくることになります。
たくさんの売上や利益がほしいのは、会社だけでなくメーカーも同じこと。
メーカーの場合は会社に商品を仕入れてもらうことで、売上・利益につながりますから、部門バイヤーと協力して多くの商品を仕入れるように仕掛けます。
会社とメーカーの「大人の事情」が関係してくる会社はメーカーから商品を仕入れた以上、なんとかして売りさばく必要が出てきます。
そこで 従業員に最低限の売上と利益を確保できるだけのノルマを課すことで、メーカーの売上や利益に貢献しつつ、会社も売上や利益を出せてwin-winとなる わけです。
つまり店とお客さまの関係と、メーカーと会社の関係はほぼ同じで、会社(店)もメーカーも自分たちの利得のためにノルマを課しているのです。
働く従業員のお給料は会社の売上、正確に言うなら利益のなかから出るわけですから、売上や利益を伸長させるためにはノルマを課すという方法も致し方ないのかもしれませんね。
ノルマを課すこと自体は、違法行為にはなりませんから。
ノルマをこなす必要はなく、ペナルティは違法
いくらノルマを課すことが違法にならないとはいえ、会社が課したノルマを達成するためにツラい思いをしている人もたくさんいます。
しかし ノルマをこなす必要性はまったくない のです。
そもそもノルマは他人に強要させるものではなく、みずからのモチベーションを保つためですとか、周囲の士気を高めるために設けるもの。
つまり、従業員に無理やりノルマを課している会社は、ノルマの意味を履き違えているわけです。
また会社が従業員に商品の購入を強要することは、強要罪に抵触する可能性があります。
そのため 会社が従業員にノルマを達成するよう強要したところで、その強要自体が犯罪行為になりうるため、意味をなさない といえるでしょう。
それに加えて ノルマ未達成だからといって従業員にペナルティを課すことは、労働基準法違反となる のです。
まず、残った商品を買い取らせ給与から代金を差し引く行為は、労働基準法で定められた賃金の全額払い原則に違反します。
賃金の全額払い原則には「従業員に対する報酬は、全額現金で行う」ということが示されています。
そのため、従業員の同意なしに商品代を天引きしてはいけないのです。
また減給することも正当性が認められず、行き過ぎた処分としてみなされます。
万が一ペナルティによって減給などの処分を受けてしまったら、労働基準監督署に相談をしてみましょう。
その結果、一度下された処分を撤回してもらえるかもしれませんから、相談して損はありませんよ。
管理人
現実には、どこのスーパーもコンビニも従業員にノルマを課すことが暗黙の了解となってしまっていますね。ノルマではなく、購入のお願いというかたちを取れば、会社と従業員のお互いが嫌な思いをせずにすむと思うのですが…。
ノルマ制度が禁止されればいいのに、と思っているスーパーやコンビニの関係者は少なくありません。
しかし現時点ではノルマ制度が禁止となることはないでしょう。
なぜなら、ノルマを課すこと自体は違法ではないからです。
ノルマは自主的な目標として掲げるのであれば、各々のモチベーション維持につながりますし、結果として業績がUPすれば不利益を被る人もいません。
問題はノルマだからと商品の購入を強制したり、ノルマを達成できていないとして減給処分などのペナルティを課すことにあるのです。
そもそもノルマをこなすかどうかは、各人の善意に委ねられているもので、会社が強制するものではありません。
ですから、ノルマを無理してこなす必要もないのです。
そして商品の購入を強制する、ペナルティを課すといったことは法律違反になりえます。
万が一、ノルマを達成していないからといって不当な処分を受けた場合は、遠慮せず労働基準監督署に相談することをおすすめします。
スーパーやコンビニで働くうえで、ノルマ問題は避けられないもの。
とはいえ近年ではノルマ未達成のペナルティが問題視されるようになってきており、そのことを受けてノルマをなくす会社が出てきています。
はっきり言ってノルマを強制したり、ペナルティを課したりしているところはブラックです。
ホワイトな会社であれば、ノルマの強制は意味がないこと、ペナルティを課すことは法律違反ということを周知しているからです。
勤めている会社が堂々とノルマを強制してくるようであれば、そんなブラック企業から早く逃げたほうがいいでしょう。
さてブラック企業から逃げるためには、まず次の転職先を見つける必要があります。
次の転職先も決まらずに辞めてしまうのは、とてもリスキーなことですからね。
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