おおきなかぶといった民話やかぶら寿司といった名産品で有名なかぶですが、かぶはどちらかというと地味な存在で、なかなか普段食べる機会もないかもしれません。
しかし年に一度、七草かゆとしてみなさんもかぶを食べているのですよ。
…実は、春の七草の1つ・すずなとはかぶのことなのです。
そんなかぶについて、詳しくみてみましょう。
白くて小さい、「小かぶ」が一般的
かぶはキャベツや白菜と同じくアブラナ科の野菜で、すずな・かぶらなどという別名を持っています。
せりやすずしろ(大根)とともに、 すずなという名称で春の七草の1つ とされています。
世界的にも歴史が古く、原産地は諸説ありますが2000年ほど前には中国ですでに食べられていたようです。
日本では奈良時代には食されており、江戸時代になると全国各地でさまざまな種類のかぶが栽培されるようになりました。
現代でも各地で栽培される品種が、伝統野菜として残っています。
そんな かぶは大別すると根の部分が白い「白かぶ」と赤い「赤かぶ」の2種類 になります。
そしてさらに「白かぶ」は根の大きさによって「小かぶ」「中かぶ」「大かぶ」と分けられています。
もっとも一般的なのは白くて小さいかぶ・小かぶ であり、赤かぶは白かぶに比べるとマイナーな存在となっています。ここでは、小かぶについて紹介していきます。
”小”とつくように、根の部分の大きさがわずか5~8cm程しかない、小さなかぶになります。
甘みが強めなので煮物に適しており 、その他漬物にしたりかぶら寿司の材料としても用いられています。また、 茎や葉の部分ももちろん食べることができます 。
主な産地
小かぶの主な産地は、千葉・埼玉・青森 が挙げられます。その中でも千葉は全体の3割を占め、あとの埼玉と青森も加えた3県で全体の半分以上を占めています。
暑さには強くないのか、主に関東以降北の地域で栽培されています。
鮮度チェック方法
かぶの鮮度チェックで見なければならないのは、葉・茎の部分と根の部分の2か所 です。わかりやすいのは葉と茎の部分で、 葉の色が黄色くなっていたり、葉・茎が溶けている、茎が折れている(ちぎれている)ものは避けた方がいいでしょう 。
まぁ、普通は根の部分しか食べないという方も多いですから、根が綺麗なら葉の部分は気にならないかもしれませんが…。
次に、肝心な根の部分についてです。
根の部分は傷んでくると茶色に変色して柔らかくなることが多く、また表面にこすれや爪痕などによる傷がつくことも あります。葉・茎は多少傷んでいてもあまり問題ありませんが、根の部分が傷んでいるものは選ばないようにしましょう。
煮物にも漬物にも使え、さらに葉や茎の部分も持てあますことなく食べることができるかぶは万能食材だといえるのではないでしょうか。
葉と茎は他の葉物野菜同様に、汁物に入れたり、刻んで混ぜご飯にしてみたりなどと、その使い方もさまざまです。
今までかぶのことを知らなかった方も、この記事を読んで一度食べてみたくなったのでは?
寒い時期の方が甘みが増しておいしいので、冬になったらかぶを使った料理に挑戦してみて下さいね。