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和梨と洋梨、何が違うの?-それぞれの主な品種は?-

和梨と洋梨

梨は日本の夏を彩る果物のひとつとして有名です。

暑い時期にはもってこいの爽やかな味と、シャリっとした食感で好きな人も多いのではないでしょうか。

そして秋~初冬になると、今度はとろけるような甘さの洋梨が台頭するようになります。

しかし夏の梨と冬の洋梨は、同じ梨とは思えないほど性質が異なっているのです。

とはいえ梨と洋梨は具体的に何が違うのか、よくわからないという方もきっと多いことでしょう。

また、そもそも洋梨について自体、どんなものなのか知らないという方もいるかもしれませんね。

今回はいわゆるふつうの梨と洋梨の違いや、それぞれの主な品種について紹介します。


和梨と洋梨、それぞれの性質

梨はバラ科ナシ属の果実で、それぞれの品種は和梨・中国梨・洋梨の3種類に分類されます。

日本で一般的に梨といえば和梨を指し、中国梨や洋梨とははっきり区別されます。

中国梨はほとんど生産もされておらずマイナーな存在ですから、実質的には和梨と洋梨の2種類と思っていいでしょう。

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和梨と洋梨は見た目や食感が異なっており、ひとえに梨とひとくくりできないほどの違いがあります。

まず見た目ですが 和梨はほぼ円形なのに対し、洋梨はひょうたんのような形 をしています。

そのためひとめ見れば、和梨なのか洋梨なのか判断することができます。

食感も 和梨はシャリシャリ・サクサク、洋梨はなめらか・とろけるような味わい で、人によって好き嫌いが分かれる部分だと思います。

それでは和梨と洋梨について、基本的なデータをみていきましょう。

レア度 ☆★★★★(和梨)
☆☆★★★(洋梨)
主な産地 千葉県・茨城県・鳥取県(和梨)
山形県(洋梨)
主な品種 幸水豊水二十世紀(和梨)
ラ・フランスル・レクチェ(洋梨)
主な調理法 タルト・シロップ漬け(洋梨)
旬の時期 8月~10月ごろ(和梨)
10月~11月ごろ(洋梨)

和梨と洋梨は似て非なるものであることを表す特徴として、主な産地が異なっているという点も見逃せません。

主な産地として和梨は関東から四国地方まで多岐に渡っていますが、洋梨の場合はほとんどが山形県での生産となっています。

そのほか新潟県や青森県などの寒冷地でわずかに栽培されていますが、そもそも洋梨の栽培は日本の風土には適していないため、和梨のように多数生産することは難しいのです。

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主な調理法としては、タルトやシロップ漬けにするのが定番。

ペリーやカルヴァドスなど、お酒の原料としても活用されています。

いずれも用いられるのは洋梨で、和梨は調理加工よりも生食されることがほとんどです。

旬の時期は和梨のほうが先で盛夏~中秋にかけて出回り、入れ替わるように初秋~仲冬にかけて洋梨が出回るようになります。

和梨の定番品種

和梨には数多くの品種が存在しており、それらの品種は皮の色によって「赤梨」と「青梨」のいずれかに分類されます。

 赤梨は果皮が茶褐色である品種、青梨は果皮が緑色の品種 を指します。

割合としては、現在流通している梨のほとんどが赤梨であり、青梨の品種は片手で数えられるほどしかありません。

ここでは和梨の定番品種として赤梨から幸水・豊水・新高・新興の、青梨からは二十世紀の合計5つの品種について紹介していきます。

幸水

幸水は和梨のなかで最も生産されている品種です。

幸水梨赤梨だけど赤い要素はまったくなしな幸水梨

果皮の色が茶色い赤梨に分類されますが、個体によっては果皮が緑がかっているものもあります。

早生種であり、数多く存在する梨のなかでも一番早い時期に売場に並びます。

 果肉はやわらかく、酸味少なめで甘みが強め 

果汁もたっぷりでとてもジューシーな梨ですが、 日持ちせずすぐに傷んでしまう のが玉にキズ。

豊水

幸水に次いで生産量が多く、甲乙つけがたいほどの人気と知名度がある豊水梨。

赤梨の中生種で、幸水と入れ替わるようなタイミングで売場に出てきます。

果汁が豊富で、 甘みも酸味もほどよく感じられ濃厚な味わい が楽しめます。

豊水には幸水と二十世紀の遺伝子を受け継いでいる品種なのですが、見事に幸水の強い甘さが二十世紀の酸味でうまく中和されています。

 梨のなかでもやや大きめサイズで日持ちも長い ため、なにかと重宝される梨となっています。

二十世紀

鳥取県の名産品として有名な二十世紀梨は青梨の代表品種で、生産量は幸水・豊水に次ぐ第3位となっています。

かつては梨といえば二十世紀というほど、圧倒的なシェアを誇っていたんですよ。

二十世紀梨熟す前の二十世紀梨、黄緑色の果皮が特徴的

そんな二十世紀は美しい黄緑色の果皮を持ち、一見すると青りんごにも思えるような姿をしています。

 熟すにつれて、だんだんと黄色に果皮が変色していく のが特徴的。

果汁はたっぷりで 甘みと酸味のバランスがよく、すっきりとした味わい となっています。

甘さはそんなに強くないので、甘すぎる梨が苦手な方におすすめです。

新高

「にいたか」と呼ぶ新高梨は赤梨の晩生種で、生産量は和梨のなかで4番目に多い品種です。

 特徴的なのはその大きさ で、なんと重さが1kg以上のものもあります。

身近なものでたとえるなら、だいたいソフトボールくらいの大きさですかね。

果汁たっぷりで やわらかめの肉質をしており、酸味は少なく甘みが強め 

芳香もよく、いろいろな意味で他とはちょっと違う性質を備えている梨だといえるでしょう。

新興

新興の呼び方は「しんこう」で、生産量は和梨のなかで第5位。

晩生種の赤梨ですが親には青梨の二十世紀を持つことから、青梨の性質も併せ持っており、 甘さと酸味のバランスがよく爽やかな味わい となっています。

やや大きめサイズで、 貯蔵性にすぐれ年明けごろまで出回る のも新興梨の特徴となっています。

洋梨の定番品種

洋梨は和梨に比べると生産される品種も量も少なく、選択肢がほとんどないのが現状です。

店頭に並ぶのはほぼラ・フランス、ル・レクチェ、バートレットのいずれかだと思っていれば間違いありません。

それでは以上3種類の品種について紹介していきます。

ラ・フランス

ラ・フランスは日本でもっとも生産されている洋梨の品種で、洋梨全体の半数以上のシェアを誇っています。

その名のとおりフランスが原産で、日本国内では山形県の特産としても有名。

 果皮が緑色でサビが多く、表面はゴツゴツ・デコボコと、お世辞にも美しいとはいえない外観 をしています。

ジューシーで 甘みと酸味のバランスが取れた味わい に、なめらかな触感で和梨ではまた違ったおいしさを感じることができます。

ひとつ難点として、 追熟のさいに果皮の色がほとんど変化せず見極めが難しい という点が挙げられます。

ル・レクチェ

洋梨のなかで生産量第2位となるル・レクチェ。

ル・レクチェ果皮がこのくらい黄色くなったら食べごろ!

フランスが原産で、ちまたでは「幻の洋梨」と言われているんだとか。

国内では新潟県が一大産地として知られています。

ラ・フランスやバートレットよりもやや大きめで、サビが少なく美しい外観をしています。

 果皮は黄緑色ですが、追熟することで黄色へと変化 します。

 糖度が高く、甘みが強い 洋梨です。

バートレット

バートレットはイギリスを原産とする早生種の洋梨です。

国内では洋梨の生産量で3位ですが、世界ではもっとも多く生産されている洋梨なんですよ。

 果皮は黄緑色で、熟すと黄色に変化し芳香も強くなります 

 ほどよい甘みと酸味で、さわやかな味わい が楽しめます。

未熟なものはやや硬めで、缶詰用として加工されることが多くなっています。

和梨・洋梨の鮮度チェック方法

和梨も洋梨も、鮮度のチェックポイントは果皮の状態を見ることにつきます。

梨は少し爪が当たっただけですぐに果皮に傷がつき、その傷跡は黒色の線となって表れます。

ただし、果皮に傷があるからといって、中身が傷んでいるとは一概に言えません。

皮を剥いてしまえば、中は無傷でなんら問題ないということもよくあるのです。

このことから 果皮に黒色の線があるものは、中身はともあれ表面に傷がつき劣化している と判断できます。

また果皮の一部分が変色している場合、その部分が傷んでいる可能性がありますので要注意です。

ただし洋梨については、成熟に伴って自然に果皮が緑色から黄色に変化するため、安易に傷んでいるとは判断してはいけません。


和梨と洋梨は見た目・性質ともに異なっていますから、同じ梨であっても代替にはなりません。

その違いを表にしてまとめてみました。

和梨 洋梨
旬は夏
形はきれいな円形
果皮は赤褐色(赤梨)もしくは黄緑色(青梨)
歯ごたえよく、シャリシャリとした食感
甘さと酸味のバランスがよい品種が多い
用途はほとんどが生食
旬は秋
形はひょうたんのように下部がふくれている
果皮は黄緑色で、熟すと黄色に変化
口当たりがなめらかで、とろける食感
和梨に比べると甘みが強い傾向
用途は生食のほか、製菓や缶詰に加工されることも多い

そもそも日本人好みなさっぱりすっきりした味わいの和梨と、西洋人好みの濃厚な甘さである洋梨を比べること自体が間違っているのかもしれません。

東洋人は薄めであっさりした味を、西洋人はこってりした濃い味が好物としているともよく言われますしね。

人によってもそれぞれ好みは違いますから、各々が好きな味わいの梨を選んで食べればいいでしょう。

ちなみに日本国内では梨といえば和梨を指しますが、世界基準でみると梨=洋梨となります。

そのため外国人(特に西洋人)にとって和梨はなじみが薄い果物であり、食感や味も好みではないそう。

日本に近い中国や韓国で販売されている梨は、和梨に近い(ほぼ同じ?)ようです。

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