スーパーの従業員は給与が安く、高収入を得られるのは役員など一部の人だけとなっています。
社員だけでなくバイトの時給も最低賃金スレスレのところが多く、スーパーでバイトしてもはっきりいって稼げません。
そして給与の安さは、深刻な人手不足も引き起こす原因にもなっています。
それでは給与をもっと上げたら、人手不足も解消されていいのではないかと思いますよね。
今スーパーで働いている人も、みんな給与を上げてほしいと願っていることでしょう。
しかし、残念ながらそんな簡単に給与が上がることはありません。
実は給与が上がったり下がったりするのには、利益の多さが関係しています。
そう言われても、いまいちピンとこない人が多いのではないでしょうか?
今回は、スーパーにおける給与と利益の関係について説明していきます。
給与と利益は比例する
まず基本的なことですが、みなさんの給与は会社があげた利益のなかから支払われています。
利益が上がれば給与も上がる!逆もまたしかりそのため赤字経営で苦しんでいる会社は、給与を遅配したり、しっかり一ヶ月分出すことができなかったりします。
逆に利益がたくさん出て儲かっている会社は、給与もたくさん従業員に与えています。
このことから、 利益の高さと給与の高さはほぼ比例している といえるでしょう。
会社が「頑張って売り上げを作れ、利益を取れ!」と言う裏には、「利益を取れなければ、給与が下がるぞ!」という意味合いが含まれているのですよ。
スーパーで高い利益を取るのは難しい
しかし スーパーは、利益を取ることが難しい商売 となっています。
その指標となる利益率(売上高に対する利益の割合を示した数値)を見てみると、業界全体でみてもたった10%程度しか取れていないのです。
利益が少ないと、比例して給与も下げられてしまうわけですから、スーパーは利益率が低い=給与が安いと言わざるをえません 。小売は、仕入れて売って……という業態だから、利益率はそんなに高くないんだろうな。それが給与に跳ね返っている。シビアだな。
— kaori matsumoto (@tekitoeditor) 2019年8月26日
ちなみに大手のイオンやイトーヨーカ堂にいたっては、利益率はほぼ0%となっています。
この場合、1000円売り上げても儲けはたった1円しかありません。
業界最大手の2社ですら、ろくに利益を上げることができていないのですから、多くの中小スーパーはもっと苦しんでいます。
近年では客数が減少し、売上高に大きく影響していますが、このことも利益率の低下につながる要因となっています。
同じ小売業でもアパレルや百貨店ですと利益率はゆうに10%を超えていますから、スーパーがいかに利益を取ることが難しいということがわかりますね。
確実な利益を出す有効手段は、経費削減
利益を上げることは簡単ではありませんが、ちゃんと利益を出せているスーパーはしっかり従業員が満足するほどの給与を払っています。
つまり利益が出ていれば、ちゃんと給与に還元できるわけです。
そのため、いったいどのようにすれば多くの利益を上げることができるのか?という点が重要になります。
スーパーで利益率を上げる方法としては、おもに以下の3つのことがあげられます。
- 商品の売上を伸ばす
- 値上げをする
- 経費を削減する
なかでも一番確実な方法は、ずばり経費を削減するということになります。
経費を減らせば、利益率は高くなる計算なぜなら商品の売り上げを伸ばしたり、値上げをするということをしても、必ずしも利益率を上げることにはつながらないからです。
いくら多く商品を売っても、薄利多売では意味がありません。
かといって商品の値上げをすると、商品を買ってくれるお客さまが減ってしまうかもしれません。
その点経費を削減するということであれば、比較的簡単に実行できますし、お客さまなどの外部要因を受けることもありません。
利益を出すための人件費削減で負のループ
経費のなかでも大きな割合を占めている人件費の削減を行う会社も少なくありません。
しかし人件費を削減することには、従業員のモチベーションがなくなったり、人手不足に拍車がかかって業務が進まなかったりといったリスクもあります。
つまり人件費削減はメリットよりもデメリットのほうが大きく、安易に行うべきではないといえるでしょう。
管理人
うちの会社は無理やり人件費削減に踏み切りましたが、利益が出るどころか、まともに店も運営できなくなりました。はっきりいって負のループです。
とはいえリスクがありながらも、多くの会社では人件費削減を行っているのが現状です。
給与がなかなか上がらなかったり、新しい従業員を入れてくれなかったりするのも、もしかしたら利益を上げたいという思惑があるのかもしれません。
…しかし、もともと何のために経費を削減しようとしているのか?という点を思い出してみますと、おかしなことに気づくはずです。
給与を上げてほしい→利益が少なく給与を上げられない→利益をどうにかして出したい→それじゃあ経費削減しよう→人件費をもっと削ろう→給与が少ないから上げてほしい→…
このことから言えるのは 人件費の削減をしても、給与を上げる根本的な解決にはならず、むしろ負のループにハマってしまう ということです。
よくあるのが、人件費削減でパート・アルバイトを大幅に減らして見かけ上の経費が減るけど、その分以上の売上・利益もしっかり減るというやつで、この手の話は社会人をやっていればだいたい聞いたことがあると思います(−_−;) https://t.co/1QtQlSDPPL
— ロト牛(ろとぎゅう) (@apz39) 2019年8月12日
人件費に手を付けたら最後、だなんてちまたでは言われているようですが、この言葉はあながち嘘ではないということです。
利益と給与が比例した関係だということを、今までみなさん意識していなかったのではないでしょうか。
一部には高い利益を上げているのに、従業員に還元しないようなところもありますが、そんな会社は明らかにブラック企業ですね。
ふつうの会社はちゃんと利益に見合った給与を出してくれるものです。
頑張って利益を上げれば給与も上がりますし、残念ながら利益が下がってしまえば給与も下がります。
とはいえ時給で働くバイトやパートは、給与が下がると言っても最低賃金以下にはなりえませんから、たいして心配しなくても大丈夫です。
問題は正社員で、時給換算すると最低賃金を下回ってしまうことも珍しくありません。
もしも自分の月給が最低賃金を下回っていて納得できないようであれば、転職することを視野に入れておいたほうがいいでしょう。
ちなみに高給取りになりたいなら、スーパーはやめておいたほうがいいですよ。
スーパーという業界自体が高い利益を取りにくいため、大手スーパーを選ぼうが中小スーパーだろうが、給与面は正直どこもさほど変わらないからです。
本当にスーパーの仕事が好きだとか、興味があるといった人でなければ、長く勤まらないのが現状なのです。