きゅうりとなす、どちらも私たちの食卓には欠かせない食材ですよね。
そしてこれらの野菜には、意外な共通点があったりします。
まず、夏野菜であること。
きゅうりはサラダとして用いられることが多いですから、夏場の暑い時期になると登場頻度も上がります。
いっぽう特別夏らしい野菜とは思えないなすですが、やはり夏野菜らしく、初夏になるとさまざまな品種のなすが売場に並ぶようになります。
おなじみの中長なすから長なす・丸なす・米なすなど、これほど多彩な品種が並ぶのは旬だからこそ。
そしてなにより、きゅうりとなすはお盆の精霊馬としての役割を担っています。
精霊馬とはきゅうりを馬、なすを牛に見立てたもので、ご先祖様を送迎するための乗り物として飾られます。
その家々によって飾る風習がないところもありますので、精霊馬の存在自体を知らなかったという人もいるかもしれませんね。
このようになにかと近しい存在のきゅうりとなすですが、それぞれの野菜についての詳しい知識は案外知らない方も多いはず。
今回はこの2つの野菜について、詳しく紹介します。
サラダや酢の物に!きゅうり
きゅうりはキュウリ科キュウリ属の植物で、未熟な果実を食用としています。
市場に流通しているものはほとんどが白いぼと呼ばれる品種 で、その名のとおりいぼが白色であることが特徴的なきゅうりです。 白いぼきゅうりは皮が薄いことや、苦味が少ない ことから食べやすく人気があります。またいぼが黒いきゅうりも存在していますが、こちらは白いぼとは反対に皮が厚く苦味も強いものとなります。
皮が薄く苦味も少ない白いぼきゅうりが定着するにつれて、黒いぼきゅうりは衰退し現在ではわずかにしか生産されていません。
それでは、きゅうりについての基本的なデータを紹介します。
レア度 | ★☆☆☆☆ |
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主な産地 | 宮崎県・群馬県・埼玉県 |
主な品種 | 白いぼ |
主な調理法 | サラダ・寿司・酢の物など |
旬の時期 | 7月~8月ごろ |
きゅうりは全国各地で生産が行われており、通年出回っている野菜です。
特に夏場は旬を迎える時期で、サラダ・冷やし中華・酢の物・漬物などによく用いられています。
トマトやなすと並んで、夏野菜の定番だといってもいいでしょう。
品種が多くて迷っちゃう?!なす
なすはインドを原産とするナス科ナス属の果実です。
淡白でクセのない味わいをしていることから、焼き物・煮物・揚げ物・漬物など多彩な調理に生かすことができる食材 となっています。それではなすの基本的なデータを見てみましょう。
なすは旬が7月~9月ごろにかけての夏野菜ですが、通年出回っているのでいつでも食することができます。
北から南まで全国的に生産が行われていますが、東北など寒い地域では実が小さく、九州など温暖な地域では実が大きくなる傾向にあります。
一般的な長なす。さらに長い大長なすも存在する九州地方では長さ40~50cmにもなる大長なすという品種が名産となっており、前述したように暖かい地方では実が大きく生育することがわかります。
また地域特産の品種も各地に存在しており、なかでも京都の賀茂なすや大阪の水なすなどは全国的にも有名です。
定番品種としては中なす(いわゆるふつうのなす)・長なす・丸なす・米なす が挙げられます。品種ごとの特性を理解しそれぞれに適した調理をすれば、よりおいしくなすを味わうことができますよ。
中なす
もっとも市場に流通している品種で 一般的になすといえば中なすを指します 。
長さは約15cm程度。
果皮・果肉ともにやわらかく、さまざまな調理に用いることができます 。まさにオールマイティーで、スタンダードななすだといえますね。
長なす
長なすは長さが約20~30cmにもなる、その名のとおり長めのなす です。九州地方ではさらに長さのある「大長なす」という品種が有名で、なんと長さは40cm以上にもなります。
果皮はかたい一方で果肉がやわらかく、やや水分多め の特性を持っています。蒸したり焼いたりする調理と相性よしです。
丸なす
ころんとした丸い形が特徴的な丸なす。
大きさは野球ボール程度で、割と小ぶりなサイズ感のなすです。
果皮も果肉もかためで煮崩れしにくい ので、田楽などの焼き物や煮物がおすすめの調理法となります。米なす
米なすはべいなすと呼び、アメリカの品種を改良してできた品種です。
緑色のヘタと大きな姿がアメリカン!そう、米なすの米とはアメリカ(米国)のことを指しているというわけなんですね。
大きなサイズにヘタが緑色と個性的な外観 で、他のなすとは一線を画しています。 果皮・果肉ともにかためで、クリーミィな味わい 。加熱調理に適しているいっぽう、漬け物には不向きな品種です。
きゅうり・なすの鮮度チェック方法
きゅうりとなすでは鮮度チェックで注視すべきポイントが若干異なるため、それぞれに分けて説明します。
きゅうり
きゅうりの鮮度を確認するためには、果皮の状態を見ることは当然として、実物に触れることも必要となります。
劣化したきゅうりには果皮がしなびたり、白カビが生えたりといった変化が出る ため、ひとめ見れば鮮度の具合が判断できることでしょう。できることなら手に取って、ピンとしたハリがあるかどうかもチェックしましょう。
チェック方法は簡単で、手に持ったきゅうりを振り子のように左右に揺らしてみるだけ。
鮮度が悪いきゅうりはだらんとしおれていてハリがない ので、ぶよんぶよんと大きく揺れます。いっぽう新鮮なものでしたら、ピンとしているため揺れ幅が小さく真っ直ぐなままです。
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最後に、注意すべき点が1点あります。
それは、果皮に付着しているブルームの存在についてです。
きゅうりやぶどうなど一部の青果物はブルームと呼ばれる物質が分泌されるのですが、この物質は果皮の表面を保護する役割を担っています。
直接見るとブルームの白さがよくわかるブルームが分泌された青果物は果皮が白っぽくなることから、一見すると農薬が付着しているのではないかと思われるようです。
そのため近年ではブルームが生成されないよう改良された、ブルームレスきゅうりが多数を占めています。
一般的に販売されているきゅうりはほとんどブルームレスのため、実際にブルームが付着しているきゅうりを見かける機会は少ないかもしれません。
もしも 表面に白い粉がついているようなきゅうりを見かけたら、それは傷んでいるわけでも農薬が付着しているわけでもない ので安心してください。
なす
なすは鮮度が劣化していても、パッと見わかりにくいので注意する必要があります。
ヘタ、実ともに劣化していくので両方チェックしましょう。
まず ヘタの劣化サインとしては、ヘタの色が鮮やかな紫色から茶色に変色する・うっすら白カビが生える・ヘタそのものが実から取れる といった変化が挙げられます。
実の劣化サインは果皮がしなびる・果皮のツヤ感がなくなる・果肉が溶けてしまう といったもので、いずれもよく注視して確認しなければわかりません。そのため、まずは劣化の具合がわかりやすいヘタの状態をチェックして、傷みが見られないのであれば実を見るようにするといいでしょう。
きゅうりもなすも、夏のメイン食材といっても過言ではありません。
どちらも多彩な調理に生かすことができ、さまざまな味わい方を楽しむことができます。
漬け物や浅漬けとして重宝されることも多いですね。
意外にもきゅうりとなすの両方を用いた調理は少ないのですが、それぞれクセのない味をしていることもあってか相性は抜群なんです。
サラダや和え物、それから炒めものにと、どんな調理でもOK。
きゅうりは生食のイメージが強いのですが、炒めて食べてもおいしいのでぜひ試してみてくださいね。
夏はきゅうりとなすの料理で、さっぱりと暑さを乗り切りましょう。
体を冷やす作用があるとされていますから、くれぐれも食べすぎには注意ですよ。
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