スーパーのチラシをチェックして、広告の品目当てで買い物に行くという方も多いことでしょう。
なかには、広告の品しか買わないという方もいるかもしれません。
そんな広告の品に対して、いくつか疑問や不満を抱くお客さまもいるようです。
たとえば「広告の品のはずなのに、いつもの価格と変わらない」ですとか、「広告の品なのに、店に置いてなかった」ですとか。
たしかにお客さまに買ってもらうために広告に載せているはずなのに、安くなかったり、店に置いてないというのはおかしな話ですよね。
「それなら、広告に載せるなよ」と思ってしまいますが、これには店側のいろいろな事情も関係しているのです。
それから、「いつも広告の品が売り切れてしまっているから、取り置きをしたい」と考える人もいるでしょう。
このようなお客さまが広告の品に対して抱く疑問について、従業員の立場からそれぞれお答えします。
広告の品なのに安くない!
お客さまからすれば、広告の品=安いという固定観念があるかもしれません。
だからこそ、広告の品の価格が普段と変わらないことに不満を感じているわけですよね。
ところが 店は、広告の品を必ずしも安くする必要はないと考えています 。
広告の品というのは、あくまでも売り込みたい商品というだけであって、価格は二の次 なのです。 値段は関係なく、売り込みたい商品を広告の品にするもちろん、できる限り多くの商品を特売価格で出すように努力していますが、商品によっては原価の関係で定価より安くできないものもあります。
また 鮮魚や青果など生鮮品の場合は相場の関係で、広告の価格と定番の価格が変わらないこともあります 。
というのも広告の品の選定と価格は、売り出し日の2週間ほど前にはもう決められているからです。
そして、その2週間のうちに相場が変動してたとしても、基本的に一度決めた価格を変更することはありません。
しかし途中で相場が暴落し、定価98円で販売できることになったため、売場の定価を98円にしました。
そして売り出しの日当日、広告には98円で掲載されていますが、売場の定価も98円ですからお買い得感はまったくありません。
上記の例のように、広告の品を決めた時点では定価よりも安価な値段を出していても、相場変動により定番価格が下がってしまうという事例もあります。
いずれにせよ、広告の品だから安いわけではないので、買い物のさいにはその点を十分念頭に入れておくといいでしょう。
広告の品が置いてない!
広告の品なのにそもそも店に置いていないなんて、ふつう考えられないかもしれません。
しかし場合によっては、広告の品であるのに特定の店では取り扱い自体していない、ということもあるのです。
そもそも 店の取り扱い商品は、全店で共通しているわけではありません 。
商品の取り扱いの基準は、ずばりその店で売れる商品かどうかです。
売れない商品を置いていても負担になるだけですから、必然と その店で売れる商品しか取り扱わない のです。
ですから広告の品であり他の店では販売されている商品であっても、特定の店では取り扱いがないということが起こってしまいます。
本部のほうでも広告の品を選定するさいにはできる限り、商品の取り扱い状況については考慮しています。
それでも広告の対象店に、特定の商品の取り扱いを行っていない店が含まれるようであれば、「この商品は〇〇店は対象外」などと注意書きをしてお客さまへ周知しています。
その注意書きがされていないようであれば、お客さまへの配慮不足ということになり、店に非があるといえますね。
広告の品なのに売り切れてる!
広告の品が売り切れてしまう主な理由としては、うまく売れ数を予測できず、結果的に発注数(納品数)が少なかった からということにつきます。 広告の品がどれだけ売れるかは誰にも予測不可能しかし、どれだけ商品が売れるかを正確に予測するのは至難の業。
なぜなら、広告の品の発注は約2週間前に行われるからです。
基本的に商品の発注数は納品日の天候や気温、予想される客数、相場などを考慮したうえで決定されます。
とはいえ、 2週間後のことを正確に予測できるはずもありませんから、半ば当てずっぽうな発注になってしまいます 。
なら最初から多めに発注すればいいと思うかも知れませんが、ムダな在庫を持つことは店にとってマイナス要素になるため、避けなければならないのです。
生鮮品であれば、劣化してロスになるだけですからなおのこと。
また時には メーカー側で発注数量に制限を設けていることも あり、このような場合は店で対処しようがないため、やむを得ず欠品する可能性が高くなります。
他にも商品の到着が遅延していたりといった理由で、広告の品が売り切れてしまっているケースがあります。
参考 | スーパーで商品が品切れ!理由は6つ!-不可抗力なことも- |
とはいえせっかく店に足を運んだのに、広告の品が売り切れていたらショックですよね。
お客さまは納得できないかと思いますが、上記で述べたように売り切れるのには理由があり、店もわざと買わせないようにしているわけではありません。
日中、早い時間の売り切れは論外ですが、夕方以降の売り切れは仕方ない部分もありますね。
しかし、どうしても売り切れに納得できないお客さまがいることを見越して、あらかじめ「万が一品切れのさいはご容赦ください」と広告で予防線を張っているところもあります。
ただし本当にお客さまのことを第一に考えているような店では、自店の在庫がなくなっても他の店から店間で商品を譲ってもらうなどし、けして欠品しないように努めています。
広告の品が売り切れること事態は仕方ない部分があるとはいえ、その頻度が高い店はお客さまに対する意識が低いと言わざるをえません。
広告の品は取り置きできる?
広告の品を確実に購入するために、取り置きをお願いしたいと考える方もいるでしょう。
なにせ、広告の品はいつ売り切れてしまうかもわかりませんからね。
さて広告の品の取り置きについてですが、 一般的に広告の品の取り置きは認めていないという店が多い ですね。
その理由としては 取り置きを認めると、取り置きした者勝ちになってしまい、お客さまの間で不公平が生じる からです。
実際、取り置きにより商品が売り切れてしまい、お店に来られたお客さまが商品を購入できなかったという事態も起きています。
そもそもスーパーでは特別な注文以外、取り置きや予約は受け付けていないところがほとんどです。
直接店頭まで足を運び、その場で購入する―――これこそが本来のスーパーの姿なのです。
そして 購入が不確実な取り置きより、店ですぐに購入をしてもらうほうが確実な売上となる 、ということも店が取り置きを敬遠する理由となっています。
管理人
たまにいるんですよね、取り置きの品を無断キャンセルするような人が。広告の品でそれをやられるとチャンスロスになり、店としては痛手を喰らいます。
とはいえ店によっては、広告の品の取り置きを受け付けているところもあるようです。
気になる方はお目当ての店に問い合わせてみるといいでしょう。
また、商品を取り置きするさいの注意点に関して気になる方は、以下の記事もご覧になってみてください。
参考 | スーパーの商品、取り置きするさいの注意点は?-特売品はNG?!- |
スーパーに来るお客さまの多くが、広告の品を目的としています。
ですから広告の品が売り切れていたり、ふだんと変わらない価格で安くなかったりすると、お客さまは非常に不満を感じるわけです。
もちろん店側も十分そのことは承知していますから、広告の品は欠品しないように、少しでも安く商品を提供できるようにと努力をしているのです。
とはいえ、どうしても発注数の少なさから欠品が発生したり、原価の関係上安くすることができず、定番価格で販売せざるを得ないこともあります。
ただし、売り切れや定番価格での販売の頻度が高いようであれば、店になんらかの問題があるといえるでしょうね。
もしかすると、最初から広告の品をまともに売る気がなく、とりあえず来店させるためだけに広告を出しているところもあるかもしれません。
以上のことを踏まえると、広告の品には過度に期待しないほうがいいといえるでしょう。
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