飲食店や小売店などのバイトで、いらっしゃいませと声をあげる「声出し」が苦手な方、いませんか?
店側はもっと元気に言って、もっと大きな声を出してとうるさく言ってきますが、こんなこと言われたら声出しがますます苦手になってしまいますよね。
そもそもレジなど必要な接客をのぞいて、わざわざ声を出す必要があるのか、疑問ですよね。
どうせ自分が言っても、誰も聞いていないだろう…とも思いますし。
いったい、なぜ声出しをしなければならないのでしょう?
声出しは店の防犯と活気づけに重要
声出しをしなさい、と店がうるさく言う理由は2つあります。
まずひとつは、 店の防犯のため です。
静かな店は万引き犯に狙われやすい従業員が声を出さない静かな店では、万引きが発生しやすいと言われています。
なぜなら、従業員が店内の様子を気にかけていないと思われるからです。
従業員がお客さまの顔を見ても声をかけないということは、従業員の眼中にまったくお客さまが入っていない=気にしていないということにつながるのです。
逆に従業員が声出しをしている店は、つねに従業員がお客さまのことを気にかけているととらえらられます。
つまり 声出しすることが、万引き犯に心理的なプレッシャーを与えることになり、結果として万引き防止になる というわけです。
ふたつめの理由は、 店に活気をつけるため です。
静かな店は防犯上のリスクもさることながら、客離れを引き起こす一因になってしまうのです。
お客さまが少ない店は活気がなく、よく店が死んでしまっていると表現されます。
しかし、お客さまが少ないから活気がないというよりは、むしろ活気がないからお客さまが少なくなってしまうといえるでしょう。
静まり返った店の雰囲気はなんだか暗いですし、それこそ万引きし放題の無法地帯とかしてしまいます。
いっぽう 従業員が声出しをすると、「従業員が明るく店の雰囲気がいい」「食べ物が新鮮そう」など、お客さまが店に対してプラスの印象を持つようになります 。
防犯のためと店の活気づけといったふたつの理由から、従業員の声掛けは店にとって重要な行為となっているのです。
無理に大きな声を出す必要はない
声出しは店のために行わなければならない、とわかっていても、なかなか大きな声を出せない・恥ずかしいと悩んでいる方も多いことでしょう。
特に店長など責任者が体育会系の人間だと、他の従業員にも大声を出すように強制してきたりして、めんどくさく感じるものです。
ちなみに、とにかく声を出せという責任者は精神論者の可能性が高く、元気に声出し=店に活気が出る=いい店=売上が上がるといった思考をしていることが多くなっています。
しかし、ただ大声を出すことが店のため・お客さまのためになるのか?というと、実はそうではありません。
たしかに、ぼそぼそ何を言っているのかわからないようでは声出しをする意味がありません。
かといって、 叫ぶように大きな声を出すというのも、周囲のお客さまにとっては迷惑に感じる ものなのです。
うるさい声出しはかえって逆効果あくまでも お客さまとすれ違うときや、お客さまの近くに接近するさいに自然に声を掛けることが、お客さまにとって快適に感じます 。
どうしても ひとりで声を出せないようなら、他の従業員が声を出したら、その後に続いて一緒に声を出してみましょう 。
また「いらっしゃいませ」と言いにくいなら、「…しゃーせー」と多少ごまかして言っても、案外いらっしゃいませと聞こえるものです。
ただ、厳格な雰囲気の店では通用しない手ではありますので、そこのところは自分の店の雰囲気を見てくださいね。
もちろん声出しに抵抗がない人は、どんどん声出しをしていきましょう。
店の従業員はただ声を出しているだけかと思いきや、しっかりとした理由のもとで行っていたわけなんですね。
あきらかにやる気がなさそうな声を出している人もいたりして、いやいややっているのが丸わかりなこともありますが…。
お客さまの立場から見ても、従業員が声を出さないよりは、ちゃんと声を出しているほうが好感を持てるという意見が多くみられています。
ただし大声で叫ぶような声出しについては、好感どころか逆に迷惑に感じられるようです。
そのため無理して大声を出す必要はなく、ふつうに声出しするほうが、よほどお客さまからの印象がよくなるといえるでしょう。