接客業の従業員は、誰しも一度くらいはクレーマーに悩まされたことがあるのではないでしょうか。
「クレーマーは面倒な存在だから、いなくなればいいのに」と思っている人もいるかもしれませんね。
しかしクレーマーこそ、本当に店が大切にしなければならない存在なのです。
そして店がもっとも恐れているのはクレーマーではなく、クレームを言ってくれないサイレントクレーマーの存在となります。
お客さまがいつの間にか減少してしまったというお店は、間違いなくサイレントクレーマーの存在が大きいと言ってもいいでしょう。
サイレントクレーマーがもたらす影響を知れば、いかにクレームを言ってくれるお客さまが大切な存在であるかがわかるはず。
それではサイレントクレーマーについて、ここから詳しく解説していきます。
サイレントクレーマーとその影響
サイレントクレーマーとは不満や疑問を抱えつつも、あえて店や従業員には言わないお客さまを表す言葉です。
一般的にお客さまの95%がこのサイレントクレーマーとされており、意外にもクレームを言ってくるお客さまはごくわずかです。
サイレントクレーマーには「クレームを言うのが面倒」「クレーマー扱いされたくない」「クレームを言う勇気が出ない」といった心理が隠されています。
「言いたいけど言えない」と不満を我慢する客も多いそんな サイレントクレーマーが取る行動は、静かに店を見放すか口コミを通じて不満点を拡散する かです。
みなさんも、不快な思いをするなどで二度と行かなくなったお店、結構あるのではないでしょうか。
またはSNSで店に関する愚痴を言うこともあるでしょう。
普段なにげなく行っているこれらの言動こそが、まさにサイレントクレーマーであるゆえんとなっているのです。
そして店にとってサイレントクレーマーの存在は、見過ごせないものとなっています。
なぜなら サイレントクレーマーの言動によって、客数の減少が引き起こされる からです。
特に口コミで一方的に悪評が広まってしまうと、お客さまは減り続け、深刻な状況にまで陥ることもあります。
そして知らずのうちにお客さまが減ってしまうことは、かなりの脅威となります。
クレームを言うお客さまこそ大切な存在
店とすれば、もし至らない点があるのであれば、ぜひ教えてもらいたいと思っています。
お客さまはどんな点で不満を抱いているのか、それがわからなければ改善のしようもありませんからね。
実は クレームを言ってきてくれるお客さまこそ、実は大切にしなければならない存在 なのです(ただいちゃもんをつけるだけのクレーマーは除きますが)。
お客さまは店に対して期待しているから、もっと良くなってほしいからクレームを言う わけであって。どうでもいいと思ったら、期待せずにそっと見捨てるだけですからね。
例えまずいというクレームでもお客様の声はありがたいと前向きに捉えられる企業ならこの先成長すると思います。
私は成長して欲しいと思うなら言うし、どうでもいい、期待しないと思ったら
( ̄  ̄ )ノ” ⌒* ポイッ!と知らん顔します。— 冬美 (@doMfuyumi) October 30, 2020
実際のところクレームを言ってくるのは常連客が多い傾向にあり、クレームと同時に叱咤激励のお言葉をいただくことも珍しくありません。
クレームを言われることはけして喜ばしいことではありませんが、それでも率直に意見を言ってもらえているだけありがたい、と考えましょう。
多くの日本人は、遠慮しがちではっきり意見を言えないもの。
そんなお国柄のせいか、諸外国と比べてサイレントクレーマーが非常に多いとされています。
ですからクレームが来ない=不満点がない、というわけではなく、不満があっても直接言わない・言えないだけなのです。
そんなサイレントクレーマーを放置するのは危険なことで、積もり積もった不満が我慢できなくなったとき、そのお客さまはもう二度と店に来なくなってしまいます。
ひとりでも多くのお客さまをつなぎ止めておきたいのであれば、積極的にお客さまからクレームを言ってもらえるように仕向ける必要があります。
たとえば、お客さまの声として意見を自由に記入してもらう用紙を常備しておくですとか、クレームを申し出たお客さまへはささやかなお礼をするですとか。
現にこのような取り組みは、全国各地の企業で盛んに行われています。
見方を変えると、クレームを言ってくださるお客さまは、店を成長させるありがたい存在なわけです。
「クレームをつけてくる客は来なくていい」なんて思っている経営者は、商売人として失格ですね。