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仕事を休まない人は、周囲に迷惑をかけている?!-休むことは義務-

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どんな職場にも、仕事を休まない人が1人くらいはいるのではないでしょうか。

傍から見ると、仕事を休まない人は真面目でがんばり屋さんですとか、仕事に意欲的といった印象に思えるかもしれません。

ところが実際は仕事を休まない人に対して、周囲の人は迷惑だと感じるものなのです。

「また休みのはずなのに来てるよ」「なんで休みを取らないの?」と、影では厄介者扱いされてしまうことも珍しくありません。

挙げ句の果てに「家庭不和でわざと休みを取らないのでは」と、あらぬ噂まで立てられてしまうことも…。

休まずに仕事をしている当人からすれば、そんなふうに思われるなんて心外なことでしょう。

仕事をすることは会社に貢献することであるのに、なぜ周囲の人から迷惑だと思われなければならないのだろうか?

そこが気になるところですよね。

それでは、仕事を休まない人が迷惑がられてしまう理由について、探っていくことにします。


会社が労働基準法違反となる

 会社には、従業員に休みを与えなければならない義務があります 

毎週1日、もしくは4週間を通して4日以上の休日を与えるよう、労働基準法にて定められているのです。

単純に毎週1回は必ず休んでいれば大丈夫かというと、そうでもありません。

その人の勤務時間によって、月に取らなければならない休日数が変わってくるからです。

というのも、労働基準法では労働時間についても、1日8時間以上・週40時間以上の勤務をさせてはならないと取り決めがされています。

もちろん、上記で述べた休日の要件(毎週1日もしくは4週間通して4日以上の休日)も満たさなければなりません。

たとえば1日8時間勤務の人は週に5日勤務すれば、週40時間の勤務に達するため、週の休日は2日取らなければなりません。

なぜなら週1日しか休日がない≒週に6日勤務となると、週の勤務が48時間となるので、労働基準法違反となってしまうのです。

「自分は最低限、週1回の休みは取っているから、それ以上は休まなくても平気」という人がいたらその考えは間違いで、実際にはもう1日休みを取る必要があります。

いくら本人が休みたくなかったとしても、休んでもらわなければ、会社が無理やり働かせているというふうに捉えられてしまいます。

つまり 本人の意思は関係なく、労働基準法にのっとって休日を取っていなければ、会社が罪に問われる ことに…。

そのため、ふつう会社は労働者に対して、ちゃんと休日を取るように指導しているのです。

もしも、会社が休みを取っていない人に何も対処しないようであれば、そんな会社はブラック企業ですけどね…。

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休みを取らない従業員と休みを取らせない会社、どちらにも責任はありますが、会社は従業員の責任を代わりに負わなければなりません。

結局、 休みをちゃんと取らなければ、会社に迷惑をかけることになってしまう わけです。

周囲の人が休みを取りにくくなる

1人が休まずに出勤していると、その周囲の人は休みを取りにくくなってしまいます。

なぜなら部署全体が、休まず働くことが美徳で休むことは悪徳だ、という雰囲気になってしまうからです。

もともと日本人は生真面目で、過労傾向にあります。

有給の取得率は諸外国より低いですし、家庭より仕事を優先する人も大勢いることからも、いかに日本が労働大国であるかを示しています。

近年では、積極的な有給休暇の取得を促してはいるものの、まだまだ有給を取らない(取れない)人が大勢います。

このようなことからも日本人は潜在的に、働くことをいとわない気質であることがわかりますね。

実際、積極的に休みたがる人には冷ややかな目が向けられることもしばしば。

かたや仕事を休まない人に対しては、会社とすればこれ以上にありがたいことはありませんから、表面上は申し訳無さを出しつつも、内心は感謝しているのです。

ブラック企業ではむしろ、休まず働くことが正義という価値観が当たり前だったりもします。

考え中しっかり休みを取りたい人の気持ちも考えよう

どんな会社であれ 仕事を休まない人がいると、周囲の人は休まずに働くことを求められているように感じ、休みを取りにくくなってしまう わけです。

 しっかり休みを取りたい派の人たちからすれば、仕事を休まない人の存在は疎ましい ほかにありません。

自分の好きで休まないでいるのは結構ですが、そのことで迷惑に感じる人がいるということを認識する必要があります。

体調不良になり、仕事の効率が下がる

休みなく仕事をすると、当然ながら体調不良になります。

なぜなら 体力的にも精神的にも、ちゃんと休息を取ることが大切 だからです。

たとえば体に異変を感じたとしても、一日しっかりお休みを取れば、その間に治ったりすることも珍しくありません。

ところが、異変を感じているのにもかかわらず仕事をすると、治るはずの症状もだんだん悪化していってしまいます。

また、働き続けることで疲労が蓄積し、ちょっとしたきっかけですぐに体調不良となってしまうことも。

 頑張って働いた結果、体を壊してしまっては元も子もありません 

一人で勝手に働き詰めて体調を崩した人に対して、自業自得と冷たい目を向ける人も少なくないですからね。

また、 体調が悪いのにもかかわらず休まないでいると、仕事の効率が下がるだけで、かえってマイナス になります。

特に風邪をひいているときなんかは、出社すれば周囲に菌を撒き散らすことになりますから、おとなしく休んでいてもらわないと困るのです。

体調管理も仕事のうちという言葉もありますから、無理せず休むべきところでは休みましょう。

他の人の仕事を奪ってしまう

自分ではよかれと思って、休まずに仕事をしている方も少なくないでしょう。

しかし 仕事を休まないでいることが、他の人の仕事を奪ってしまうことにつながり、周囲から不満をもたれる原因になってしまう のです。

特に、シフト制の仕事だとその傾向が顕著になります。

そもそもシフトというのは、その日の忙しさやメンバーの相性など、さまざまな事柄を考慮して決定されています。

よくある事例としては、忙しい日には戦力になるメンバーを入れたり、新人が入ってきたらふだんよりも多めに人数を入れたりなど。

つまりその日のシフトに入っている人数は、適当に決めているわけではなく、ちゃんと計算されているわけなんですね。

ですから、急に休まれると人手が足りなくて迷惑なのははもちろんのこと、逆に休日返上で仕事をされても困ってしまいます。

なぜなら 予想される仕事量に対して、人員が多く、手持ちぶさたになってしまう従業員が出てきてしまう からです。

場合によっては、手持ちぶさたになってしまった従業員に対して、早上がりさせることもありえます。

仕事がないのにいてもらっても邪魔になるだけですし、バイトやパートなら時給ですから、会社からすればお金のムダづかいにもなりますからね…。

しかしそれでは、 生活がかかっているバイトやパートからすれば、自分の仕事が減ってしまうのは死活問題 となります。

「あの人がきちんと休めば、こんなことにはならないのに!」と文句を言われても、言い返す言葉もありませんね。

休むことも義務なのですから…。

周囲の人から不信感を抱かれる

仕事を休まない人の多くは、他人に仕事を任せられないですとか、休んでしまうと会社が回らないと考えていることでしょう。

しかし 休まず仕事をすることは、周囲の人を信用していないからだととらえられ、不信感を抱かれてしまう のです。

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仕事を休むにあたって、誰かに自分の仕事を行ってもらわなければならない、そんな場面が少なからずあるはず。

また上司である立場の人が休むとなれば、部下だけでうまく仕事を回してもらうことになります。

そんなとき、自分がいないところで周囲がどんな働きをするのか、不安に感じるかもしれません。

周囲に任せた結果、思ったとおりの仕事をしてくれていなければ、イライラしてしまうのも事実です。

だからといって、自分の休みを犠牲にしてまで仕事をする、というのは間違っています。

なぜなら 周囲の人を信用して仕事を任せ、しっかりお休みを取るのも業務のひとつ だといえるからです。

そのためには、ふだんから周囲の人とコミュニケーションを取ったり、部下を教育していくことが重要となってきます。

別の見方をすれば、自分が仕事を休んでも支障を出さないために、周囲と連携することや部下を育て上げる必要があるともいえますね。

自分ひとりで仕事をこなしていくだけなら、会社という組織に属している意味がありません。

周囲の人に仕事を任せたり、任されたりすることで、お互いの信頼関係が築かれていくのですから。

それに 正直、どうしてもあなたがいないと会社が回らない、なんて状況になることはほとんどありません 

いなければいないで、なんとかなるものです。

ですから会社のことは気にせず休めばいいのです…というか休みましょう。


仕事を休まないとなぜ周囲の迷惑につながるのか、納得できない人もいるでしょう。

一見すると仕事を休んでばかりの人より、休みも取らず一生懸命仕事をする人のほうが、評価が高いようにも思えますしね。

しかし仕事を休むことも業務のひとつであり、休まず仕事をすることは労働基準法に反する行為になってしまうのです。

そして休まずに仕事をしている人がいると、他の休みを取りたい人たちが萎縮してしまい、職場の雰囲気がギスギスしたものになることも…。

総じて、仕事を休まないという行動が周囲へ与える影響は、相当なものだといえるでしょう。

本当に会社のためを思うのであれば、ちゃんと休みを取るようにしましょう。

また厳しい見方をすれば、休みを取れない(取らない)のは、要領が悪いからだと判断されてもおかしくありません。

「仕事が間に合わなかったら、また休みを潰して出勤すればいいや」という考えをしている人も、いるかもしれません。

しかしそんな考えでは、いつまでたっても休みなんて取ることができません。

最初から休みを取ることを前提に、今日中に仕事を終わらせるぞ、という意気込みで業務をこなしていくことが大切です。

それから人手不足なのであれば、自分がいなくても仕事が回るよう、あらかじめ部下や同僚に教育・指導しておけばいいのです。

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きちんとお休みを取ることは自分にとっても、会社にとっても必要なことだということを、つねに念頭に置いて仕事をしましょう。