初夏になると、さまざまな果実が店頭に並びます。
色とりどりの美しい果物たちを見ると、思わず手をのばしたくなりますよね。
そのなかでも特に初夏らしい果物といえば、うめにあんず、それからももやすももではないでしょうか。
ただこれらの果物を正確に把握している人は少なく、特にあんずとすももは色・形がよく似ていて、混合してしまいがち。
とはいえ、それぞれの果物にはしっかり特性があり、似通っていてもひとつとして同じものはありません。
実際、桜梅桃李という言葉が存在しており、「それぞれ、独自の花を咲かせる」という意味が込められています(李=すもも)。
このことわざについてもっと詳しく知りたい方は、ぜひご自身で調べてみてください。
少し話が逸れましたが、今回はうめ・あんず・もも・すももについて詳しく紹介していきます。
どれがどれだかうろ覚えな人は、この記事を読み込んで見分けられるようになりましょう!
紀州南高梅でおなじみ、うめ
うめはバラ科サクラ属の木、およびその果実です。
日本を代表する花としても有名ですが、意外にも原産は中国だったりします。
奈良時代に伝来しましたが、当時はもっぱら鑑賞用の花として用いられてきました。
食用とするために栽培されるようになったのは、近代に入ってからなんですよ。
ちょっと意外ですよね。
それでは、うめに関してさらに探っていきたいと思います。
まずは下の表をご覧ください。
レア度 | ★☆☆☆☆ |
---|---|
主な産地 | 和歌山県 |
主な品種 | 南高梅 |
主な調理法 | 梅干し・梅酒など |
旬の時期 | 5~7月頃 |
順番にみていきましょう。
うめは旬の時期、初夏になるとどこの店でも容易に入手が可能です。
店で扱われる品種はうめの主な産地である、和歌山県産の南高梅が多くをしめています。
和歌山県はうめの名産地でもあることから、”紀州南高梅”というブランド名をつけて、他県が生産した南高梅との差別化を図っています。
うめは熟しても甘くならず 、強い酸味を持った果実です。そのことから、主に梅干しや梅酒への加工に用いられています。
生で食べることはふつうしません。
ちなみに 熟す前のうめは果皮が青いことから、青梅と呼ばれることがあります 。
青梅を食べてはいけない、という話を聞いたことがある人も少なくないでしょう。
実は未熟な梅には、有害物質が含まれているのです。
大量に摂取しなければ人体に害を及ぼさないと言われてはいますが、注意するにこしたことはありません。
青梅を扱うさいには必ず加熱などの処理を行いましょう 。***
うめにはサイズによって、大梅・小梅という区分わけがされています。
一般的によく見かけるうめは大梅ですが、特別表記はされません。
いっぽう小梅の場合は、ちゃんと小梅と表記されますので、購入のさいにはチェックしてみるといいでしょう。
自家製の梅干しや梅酒をつくるために、大量のうめを必要としている方もいることでしょう。
とはいえ、店頭ではなかなか箱売りしていないことが多いもの。
またうめは劣化も早いため、鮮度が重要となります。
そこで、産地直送の新鮮なうめを購入されることをおすすめします。
青梅ですから、そのまま梅酒用としてに使ってよし、熟して梅干し用に使っても○。
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杏仁豆腐のもと?!あんず
あんずはうめと同じくバラ科サクラ属の樹木、またその果実です。
原産地は諸説あり、ネパールもしくは中国などと言われています。
また あんずには、別名としてアプリコット や唐桃という呼び名があります。
ちなみに唐桃の唐とは昔の中国を指す言葉ですが、このことからもあんずが中国と関連があることがわかりますね。
日本へは平安時代以前に中国から伝来し、大正時代になってようやく栽培が行われるようになりました。
あんずの歴史については、なんとなくわかりましたでしょうか。
それでは、さらに詳しいデータをご覧いただきましょう。
レア度 | ★★☆☆☆ |
---|---|
主な産地 | 長野県・青森県 |
主な調理法 | ジャム・シロップ漬け |
旬の時期 | 6~7月頃 |
あんずは、うめやすももなどと同時期に旬を迎える果物です。
品種は多数存在していますが、店で販売されるときに明記されることは少ないので、特別気にしなくてもいいでしょう。
***
果実の形はすももやネクタリンとよく似ており、オレンジ色の果皮はすべすべしています。
赤い部分は日光が当たった証!選ぶ際の参考に…ちなみに日光が当たると、果皮は赤みを帯びていきます。
未熟なものは酸味が強く感じますが、熟すにつれて甘くなっていきます 。そんなあんずはジャムやシロップ漬けにするのが主な調理法で、生食はあまりされません。
ここで、杏仁豆腐とあんずはなにか関係があるのでは?と思った人もいるでしょう。
そう、実は 種の部分を杏仁といい、杏仁豆腐の原料となる のです。
本場・中国ではこの杏仁をすり潰すなどして、杏仁豆腐を作っているようですが、日本ではもっと簡略化した調理法が採用されています。
とはいえ種には有害物質が含まれているため、直接生のまま食べないようにしてくださいね。
白桃も黄桃も甘くておいしい!もも
ももはバラ科モモ属の果実で、原産は中国です。
日本での歴史は古く、縄文時代にはすでに伝来していたとされています。
古来から存在していたにもかかわらず、本格的な栽培が始まったのは、なんと明治時代になってからなんですよ。
栽培が始まるきっかけとして、中国から「水蜜桃」という品種が輸入されたことが大きく起因しています。
「水蜜桃」は甘みが強い品種なのですが、この水蜜桃を品種改良したももが広く流通されるようになり、これが現在流通しているももの原型といわれています。
さて、ここからはももに関する基本的なデータを紹介します。
レア度 | (もも)★☆☆☆☆ (ネクタリン)★★★☆☆ |
---|---|
主な産地 | (もも)山梨県・福島県 (ネクタリン)長野県 |
主な品種 | (もも)白鳳・川中島白桃・黄金桃 |
主な調理法 | ジュース・シロップ漬けなど |
旬の時期 | 7~9月頃 |
ももはすいかに並んで、日本の夏を代表する果物といっても過言ではないでしょう。
どんな店でも、ももは夏場のメイン商材として大々的に売り込みがかけられています。
そんなももに比べると、同じももの一種であるはずのネクタリンは、いまいち目立たない存在と言わざるをえませんね…。
***
ももの品種は多岐にわたっていますが、それぞれ白桃系・白鳳系・黄桃系という3つの系統に分けることができます。
白鳳系 |
シーズンの前半に登場する品種の総称。 |
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白桃系 |
シーズン後半のメイン種。 |
黄桃系 |
果肉が黄色いももを総称して、黄桃系という。 |
以上の表からもわかるとおり、 ももははしりの時期には白鳳系の品種が出回り、途中で白桃系に切り替わっていく わけです。
黄金系の品種は果皮も果肉も黄色い珍しいもも ですが、お目にかかれる機会は多くありません。食感もそれぞれの系統によって異なっていますので、食べ比べてみるとおもしろいですよ。
ももはフルーツのなかでも、特に贈答用として用いられる機会が多くなっています。
お中元にももをもらったり、あげたりしたことがある方も多いのではないでしょうか。
そこで、提案です。
思い切って今年の夏は、最高級のももをお中元に送ってみませんか?
以下で紹介しているショップでは、なんと甘くなければ返金してくれるそうです!
返金保証がついているなら、安心して頼むことができますね。
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ネクタリンは毛のないもも
ネクタリンはバラ科モモ属の果実で、ももの一種 です。ももの一種ではありながら、見た目も中身も違うため、一見するとももとは思えないかもしれません。
それではももとネクタリンの違いをみていきましょう。
もも | ネクタリン |
---|---|
果皮は白~ピンク色で、毛が生えている 甘みが強く、酸味は感じられない 果肉は品種によってやわらかいもの・硬いものが混在 |
大きさはももより一回り程度小さい |
果皮の色や大きさ、酸味があることなどから、ネクタリンはももよりすももに近い存在だといえるでしょう。
これがネクタリン…やっぱりももとは思えない?!しかし、あくまでもネクタリンとすももは似ているというだけで、まったくの別物です。
そもそもネクタリンはももと同じバラ科モモ属、すももはバラ科サクラ属と、種属が違っています。
ちなみにもも以外のうめ・あんず・すももは、すべてバラ科サクラ属の果実なんですよ。
豆知識として覚えておくと、なにかに役立つかもしれません。
すももの別名はプラム
すももはバラ科サクラ属の果物で、原産はももと同じく中国です。
名前の由来は、酸っぱいももということから。
ネクタリンと混合されがちですが、ネクタリンはももの一種であり、すももとは関係ありません。
***
すももの種類は日本すもも(プラム)と西洋すもも(プルーン)の2つ で、ふつうすももといえば日本すもも(プラム)のことを指します。 ネクタリンと見間違えそうな外見!ここでも区別をするため、日本すももをプラムと表記することにします。
なぜプラムが”日本”すももで、プルーンが”西洋”すももなのか、まずはその点から解説していきますね。
プラムは日本古来から存在し栽培が行われている果実ですが、かたやプルーンは西洋で生まれ栽培されている果実だからです。
ちなみに日本はプルーンの栽培には不向きな風土であるため、現代になっても、国産のプルーンはほとんど生産されていないのです。
***
それではすもも全体についてのデータを紹介します。
レア度 | (プラム)★★☆☆☆ (プルーン)★★★★☆ |
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主な産地 | (プラム)山梨県・長野県 (プルーン)長野県 |
主な品種 | (プラム)大石早生・ソルダム |
主な調理法 | ジャム・ドライフルーツなど |
旬の時期 | 6~8月頃 |
夏が旬の果物で、毎年あんずやももなどと同時期に販売されています。
ただプルーンは生産量が少なく希少なため、なかなか店頭に出されることはないですね。
プラムの主な品種は、大石早生やソルダムとなっています。
他にもたくさんの品種が存在していますが、それぞれ果皮や果肉の色が違っているので、売場で眺めるだけでもおもしろいですよ。
プルーンは西洋のすもも
西洋すももはすももの一種で、一般的にはプルーンと呼ばれています 。原産はヨーロッパですが、現代ではアメリカがプルーンの名産地として知られています。
残念ながら日本においてはほとんど栽培されていないため、国産のプルーンを入手するのは難しいですね。
そのため店頭に並んでいるのは、輸入プルーンを原料としたドライプルーンばかりです。
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プルーンとプラムは混合されがちですが、見た目も中身も大きく異なっています。
たとえば見た目でしたら、プルーンはだ円形なのに対しプラムは円形ですし、中身でしたらプルーンは種ありですがプラムには種がありません。
同じすももの仲間なのに、似ても似つかないというわけなんですね。
栄養たっぷりで、目にもいいとされるプルーン。
ドライプルーンをよく食べている方もいることでしょう。
どうせなら生の、しかも国産のプルーンを食べてみたいと思いませんか?
店頭にはほとんど出回らない、希少な国産プルーンをぜひ、味わってみてください。
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うめ・あんず・もも・すももの鮮度チェック方法
うめ・あんず・もも・すもも、それぞれの鮮度チェック方法を紹介します。
あんずとすももは性質が似通っているので、まとめてあります。
うめ
うめは鮮度が悪くなると、カビが生える・一部が茶色に変色する・果汁が出てくる などの変化が見られます。また青かった果皮が黄色く色づいてくると、熟してきたということで鮮度劣化となります。
熟しているほうが好きな人は、あえて色づいているものを選ぶといいかもしれません。
あんず・すもも
あんずやすももは、鮮度劣化のスピードが比較的遅めの果実です。
特にすももは果皮が硬く耐久性があり、同じももとは思えないほど、その性質には違いがあります。
これら あんず・すももの劣化サインとなるのは、カビの発生・皮が裂けてくる・果汁が漏れる というところですね。
果皮が硬いからといって、乱雑な扱いをしてもいいわけではないので気をつけてください。
もも
ももは非常にデリケートな果物のため、圧力をかけたり衝撃を与えることはNG です。自分では少し触ったつもりでも、結果的に潰れてしまったり、指の跡がくっきりついてしまうことも。
そのような潰れや指の跡がついているものは、見た目も悪いですし、傷みを進行させるもとになりますので要注意です。
傷んでくるとカビも生えてきますし、果汁が漏れ出してくる のですぐにわかるかと思います。また、ももには見た目をよくする、あるいは衝撃を少なくする目的でフルーツキャップが被されていることもあります。
もしもフルーツキャップが被されているようでしたら、面倒でも外して鮮度を確認するようにしましょう。
パック詰めになっていて、取り出せないようなものでしたら、仕方がないので外側からじっくり見極めるしかないですね…。
特に底面は見落としがちなので、必ずチェックするといいですよ。
うめ・あんず・もも・すもも、これらの花はとてもよく似ていると思いませんか?
それもそのはず、実は上記の花々はすべてバラ科の植物なのです。
厳密にいうと、ももはモモ属でその他はサクラ属と種属は違っていますけどね。
このページでは紹介していませんが、桜の果実であるさくらんぼもバラ科サクラ属の仲間なんですよ。
桜梅桃李という言葉からもそのことが見て取れますね。
関連 | 初夏を彩るびわとさくらんぼ!共通点は?-バラ科の果物- |
バラ科の果物は他にもりんごやいちごなどもありますので、一度調べてみるとおもしろいかもしれません。
***
今回紹介したバラ科の植物は果実もよく似ていますが、その性質は個々で違っています。
それぞれ食べ比べをしてみると、きっとその違いがわかるのではないかと思います。
初夏のじめじめした空気も吹き飛ばすような、甘さと酸味が爽やかなバラ科の果実をぜひ、堪能してみてください。