有給休暇は仕事を休んでも給与が支払われるという、大変便利な制度です。
みなさんも当然、有給を使いたいと思っていることでしょう。
そこで社員はともかく、バイトでも有給を取ることができるのか?と不安に感じる人も多いはず。
せっかくの素晴らしい制度も、使うことができなければ意味がありませんよね。
安心してください、結論としてバイトでも有給を取ることはできます。
しかし、残念ながら有給を取るには一定の条件を満たしていなければなりません。
とはいえ有給を取る条件なんて、ふつう会社の人は教えてくれない話です。
その条件について労働者がみずから調べて知っておかなければ、せっかくの有給をずっと使わないまま消滅させてしまうことになります。
そう、実は有給には時効があり、その時効を迎えると消滅してしまうんです。
さらに詳しく知りたい方は、ぜひこの記事を読んでみてください。
またどれだけの有給日数があるのか、もし有給を認めてくれなかった場合の対処法など、さまざまなポイントについて今回は紹介していきます。
有給が取れる条件は勤務期間と出勤率
バイトでも有給を取る権利はありますが、そのためには以下の2つの条件を両方満たしていなければなりません。
・勤務を開始してから半年が経っている
・1年間の出勤率が8割以上
まず、なぜ勤務開始から半年以上という条件が定められているのか、疑問に思う方もいることでしょう。
ちゃんと働いているのであれば、勤務期間に関係なく有給を与えてもいいような気がしますが…。
勤続半年以上という条件にある背景としては、労働により蓄積した心身の疲労を回復してもらうためだということがあげられます。
さしずめ、有給休暇は公的なリフレッシュ休暇といってもいいでしょう。
***
次に出勤率が8割以上という条件ですが、そもそも自分の出勤率を知らない人がほとんどなのではないでしょうか。
出勤率は、出勤日数÷全労働日という計算式で求めることができます。
ちなみに出勤日数のなかには、休日出勤分は入りませんので注意してください。
また遅刻や早退をした日はれっきとした出勤になりますので、日数に入れても大丈夫です。
そして全労働日というのは、会社が定めている休日(定休日など)を除いた日数になります。
出勤した日を記録しておけば、計算もらくらく!このように出勤率を計算すれば、自分が有給休暇を取得できる条件を満たしているのかの判断ができます。
ただし出勤率で判断するのは社員と、バイトであれば週30時間以上勤務している場合にかぎります。
バイトでも週30時間以上の勤務をしていれば、社員と同等の立場だとみなされるわけなんです。
週30時間未満のバイトの場合は週の勤務日数に応じて、過去1年間にどれだけ出勤しているのかで、有給の対象かどうかが判断されることになります。
以下の表をご覧ください。
週所定労働時間 | 週所定労働日数 | 1年間の所定労働日数 |
---|---|---|
30時間以上 | – | 217日以上 |
30時間未満 | 4日 | 169~216日 |
3日 | 121~168日 | |
2日 | 73~120日 | |
1日 | 48~72日 |
つまり有給取得の条件として重視されるのは、週の勤務時間よりも勤務日数なんですね。
たとえば週に3回の勤務で1日あたり3時間のバイトも、8時間のバイトも、有給取得に必要な1年の労働日数は121~168日となります。
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勤め始めてから半年以上経ち、定められた日数以上の勤務をしていれば、有給取得が可能となる ことがわかりましたね。ここで、ある疑問をいだいた方もいるかもしれません。
「まだ勤務して1年未満の人に対しては、有給取得対象かを判断できないのでは?」と。
たしかに直近1年間の出勤日数と言われても、まだ勤務開始して1年も経っていないのに、どのように判断するの?と思ってしまいますよね。
実は一番最初に有給が発生するタイミングは勤続から半年で、そのさいには半年間の出勤率が8割以上あれば、有給が付与されることになっているのです。
ほとんど休みなくきちんと出勤していれば、必然的に出勤率は8割を超えますから大丈夫ですよ。
そして 最初の有給が発生して以後は、1年ごとに有給が発生 していきます。
正社員でもパートでも半年以上勤務していたら法的に有給休暇が付与されるから。
給与明細に書いてない勤め先もあるけど、そう云う場合も尋ねたら教えてくれる事になってるよ。— 瑚月 (@HakujitumKitan) April 19, 2020
有給日数は週の勤務日数によって決まる
使うことができる有給の日数は、人によって異なっています。
なぜなら 週の勤務日数によって、与えられる有給の日数が変わってくる からです。
勤務時間は関係なく、あくまでも勤務日数で判断される ことに注意してください。それでは、週の勤務日数ごとの有給日数がいくつかなのか、わかりやすいように表にしました。
週5日以上出勤
まずは週に5日以上・年間217日以上出勤の場合の方は、以下のようになります
勤続年数 | 有給日数 |
---|---|
6ヶ月 | 10日 |
1年6ヶ月 | 11日 |
2年6ヶ月 | 12日 |
3年6ヶ月 | 14日 |
4年6ヶ月 | 16日 |
5年6ヶ月 | 18日 |
6年6ヶ月以上 | 20日 |
週5日以上勤務のバイトは、有給面では社員と同等の待遇を受けることができます。
勤務開始から半年で10日、勤務が6年6ヶ月以上になると、なんと20日もの有給がもらえるのです。
20日も有給があれば、かなり有意義な使い方ができますね。
しかも週あたりの勤務時間での制限はないので、週5日勤務であれば、勤務時間は関係ありません。
極端な話、週5日勤務なら1日あたり1時間しか働いていなくとも、しっかり有給日数をもらうことができるわけなんですね。
週4日出勤
次に週4日出勤している方がどれだけの有給日数なのかについて、以下の表で確認してみましょう。
勤続年数 | 有給日数 |
---|---|
6ヶ月 | 7日 |
1年6ヶ月 | 8日 |
2年6ヶ月 | 9日 |
3年6ヶ月 | 10日 |
4年6ヶ月 | 12日 |
5年6ヶ月 | 13日 |
6年6ヶ月以上 | 15日 |
週4日の勤務を6ヶ月続ければ、有給は7日もらえることになります。
そして1年勤務を継続するごとに少しずつ増加し、6年6ヶ月以上勤務すれば、15日もの有給をもらうことができます。
ただし週5日以上勤務の方と比べると、最大の有給日数としては20日と15日で、5日も違ってきます。
つまり週あたりの出勤回数がたった1回少ないだけで、もらえる有給は最大5日も少なくなるというわけです。
それなら週4回勤務の人は、出勤をもう1日増やして、週5日出勤するほうがお得感がある気がしますね。
週3日出勤
学生やダブルワークの方は、週3日程度の出勤が多いのではないでしょうか。
もしも週3日出勤すると、有給はどれほどもらえるのでしょうか。
それでは、下の表を見て確認していきましょう。
勤続年数 | 有給日数 |
---|---|
6ヶ月 | 5日 |
1年6ヶ月 | 6日 |
2年6ヶ月 | 6日 |
3年6ヶ月 | 8日 |
4年6ヶ月 | 9日 |
5年6ヶ月 | 10日 |
6年6ヶ月以上 | 11日 |
週3日の出勤でも勤務を6ヶ月続ければ、5日も有給を取得できるんですね。
さらに1年後、1年6ヶ月の勤務では有給6日となりますが、その後は勤務が3年6ヶ月になるまで有給の日数は増えません。
それでも勤続6年6ヶ月以上となれば、11日の有給がもらえるようになります。
週の半分程度しか出勤しないわりには、有給の日数は結構たくさんあるのではないでしょうか。
週2日出勤
週2日出勤だと、「ほとんど出勤しないのに、有給なんてもらえないのでは?」と思うかもしれません。
しかし、安心してください。
以下の表を見てわかるとおり、週に2日の出勤でも、6ヶ月勤務していれば3日の有給がもらえます。
勤続年数 | 有給日数 |
---|---|
6ヶ月 | 3日 |
1年6ヶ月 | 4日 |
2年6ヶ月 | 4日 |
3年6ヶ月 | 5日 |
4年6ヶ月 | 6日 |
5年6ヶ月 | 6日 |
6年6ヶ月以上 | 7日 |
たとえ週に2回しか出勤していなくとも、6年6ヶ月以上勤続していれば、有給日数は7日にもなるのです。
ちょっとしたおこづかい稼ぎの週2出勤でも、しっかり有給がつくなんて驚きですよね。
しかも最低でも3日の有給ですから、使えるときに使わないと損ですよ。
週1日出勤
週1日しか出勤していないと、そもそも有給をもらう資格なんてないような感じもしますよね。
実は週1日の出勤でもあっても有給は以下の表のとおり、6ヶ月の勤務で1日はもらえます。
勤続年数 | 有給日数 |
---|---|
6ヶ月 | 1日 |
1年6ヶ月 | 2日 |
2年6ヶ月 | 2日 |
3年6ヶ月 | 2日 |
4年6ヶ月 | 3日 |
5年6ヶ月 | 3日 |
6年6ヶ月以上 | 3日 |
6年6ヶ月以上の勤務すると、もらえる有給は3日に増えます。
さすがに週1勤務だと、長年勤続しても多くの有給はもらえませんね…。
とはいえ、有給制度があるだけありがたいと思ったほうがよさそうです。
有給は使わないと消滅する
せっかく有給をもらっても、使わなければ意味がありません。
なんと 有給は、発生から2年間使用しなければ消滅してしまう のです。
有給の消滅を時系列でわかりやすく説明すると、以下のとおりになります。
今回は週5日出勤の方で、まったく有給を使用しなかった場合とします。
入社 | – | – |
勤続6ヶ月 | 有給が発生 | 発生した有給日数:10日 保有有給日数:10日 |
勤続1年6ヶ月 | 有給が発生 | 発生した有給日数:11日 保有有給日数:21日(10+11) |
勤続2年6ヶ月 | 2年前に発生した有給が消滅 (6ヶ月のときの有給) 同時に新しく有給が発生 |
消滅した有給日数:10日 発生した有給日数:12日 保有有給日数:23日(11+12) |
勤続3年6ヶ月 | 2年前に発生した有給が消滅 (1年6ヶ月のときの有給) 同時に新しく有給が発生 |
消滅した有給日数:11日 発生した有給日数:14日 保有有給日数:26日(12+14) |
有給は休みながら給与ももらえる最高の制度なのに、使わずに消滅させてしまうなんてもったいないですよ。
いつでも有給を取る権利があるのですから、会社に遠慮せずにどんどん使っていきましょう。
有給は基本的にいつでも取ることができる
有給を取る時期について、基本的に制限はありません。
つまり 労働者はいつでも自分が好きなときに、有給を使うことができる というわけです。
しかし現実には会社側から、ケチをつけられることも少なくありません。
「今は人手がいないから、有給を取るなら今度にして」ですとか、「この日は忙しいんだから、日にちをずらして有給を取って」などなど…。
このように会社から言われてしまうと、やっぱり有給を自由に使うことは難しいのかな、と思ってしまうかも知れませんね。
とはいえ 会社は通常、労働者がいつ有給を使うかについて制限することはできません 。
有給の使用時期をずらすように命令することができるのは、「その人物がいなければ会社に甚大な影響があり、損害を及ぼすと思われる場合」にかぎります。
この命令を法律用語では時季変更権の行使、といいます。
有給休暇における会社側の権利は拒否権も、承認権も持っておらず、時季変更権のみ持ってるって知っとくと会社の言いなりにならずに済みますよ。有給休暇の権利は休みたい時にいつでも休んで良い権利なので就業規約的に有給休暇の申請1週間前に出さないと休めないとかは違法になります。
— 😷 た け て ゃ ん 😷 (@takegame1) October 15, 2018
以上のとおり、単なる人手不足・忙しいという理由で会社から有給の時期をずらすよう言われても、まったく気にする必要はないのです。
有給の申請を会社が断ることはできない
せっかく有給を申請しても会社に断られてしまわないか、気になりますよね。
周囲の人が有給を使っていないような会社だと、余計に不安になってしまうことでしょう。
この点については心配しなくても大丈夫です。
有給の使用は労働者の権利!遠慮せず使おう 会社は有給を申請されたら断ることはできませんから、まともな会社であれば、ちゃんと有給を使わせてくれます 。むしろ会社とすれば、どんどん従業員には有給を使ってもらいたいと思っています。
というのも 法律で「年に5日の有給を労働者に取得してもらう」ということが定められている ためです。
ですから有給を申請すると断られるどころか、こころよく受け付けてくれるはずです。
ただし法律で決められているのは、年に5日の有給取得ですから、それ以上の有給取得には難色を示される可能性もあります。
いずれにせよ、会社は労働者の有給申請を断ることはできないので、気にする必要はありませんけどね。
有給を取れるのは社員だけで、バイトには関係ないと思っていた方も多いのではないでしょうか。
知らない人も多いでしょうが、実はバイトでも有給を取ることができるのです。
たしかにバイトが有給を取るというと、会社が嫌な顔をすることも実際にあります。
しかし有給はすべての労働者に認められている権利であり、申請された有給を会社が断ることはできません。
それどころか今の時代、会社は従業員に有給を使わせることが義務付けられています。
そのため有給を使わない従業員に対しては、強制的に有給を取らせる必要があるほどです。
ですから、バイトでも有給を取ることをためらう必要はありませんし、それどころか積極的に使わなければ損ですよ。
有給はたった2年間で消滅してしまうのですから…。
自分が何日分の有給を保有しているのかわからなければ、店長や事務員に聞いて、ちゃんと自分で管理するようにしておきましょうね。
もしもバイト先が有給を使わせてくれないようでしたら、ブラック企業である可能性が高いので、新しいバイトを探すことをおすすめします。
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