青果コーナーで商品を買おうと思ったら、傷んでいたからやめた!という経験、誰しもあるのではないでしょうか。
せっかくおいしそうな旬の食材を見つけても、鮮度が悪ければ買う気も失せますよね。
そもそも、傷んだ品物が売場に出ている事自体がおかしい、と考える人もいるでしょう。
それでは、どうしてスーパーの野菜や果物が傷んでいるのかについて、その理由をみていきましょう。
鮮度チェックが不十分
まず もっとも多く考えられる原因としては、鮮度チェックが不十分ということがあげられます 。
こうしてひとつずつ鮮度を確認青果物には賞味期限がありませんから、目視で鮮度チェックを行わなければなりません。
なかには目視だけでなく直接手にとって確認しなければいけないものもあり、青果物の鮮度チェックには時間がかかるのです。
そのため 人手不足などを理由に、鮮度チェックに十分な時間をかけられない・鮮度チェックを行わない 店もあります。
これでは、傷んだ商品がお客さまの目に触れてしまうのも当然だといえるでしょう。
入荷した商品の検品をおこたっている
鮮度が悪い青果物が並んでいる背景には、鮮度チェック不足以外にも理由があります。
ここだけの話ですが、 入荷する青果物はすべてが新鮮なものばかりではなく、到着した時点ですでに傷んでいた(傷み始めていた)ということがある のです。
それでも、店に出す前や品出しのさいに担当者が検品を行えば、傷んだものをその時点で取り除くことができるわけです。
逆に考えれば、 入荷した商品の検品をおこたっているがゆえに、傷んでいる商品が売場に並んでしまっている ということになります。
ふつうは品出しのさいに、確認しながら商品を並べていくのですが、これをきちんと遂行しない担当者がいるのです。
そんな担当者は「今日来た商品だから、傷んでいるわけないだろう」と思い込んでしまっているため、確認もせずに品出ししてしまうのです。
または、これまた人手不足でとにかく品物を出せればそれでいい、という状態になってしまっているかですね。
市場での商品管理に問題がある場合も
そもそもいったい、なぜ店に不良品が届くのか…その原因は、市場側にあります。
膨大な数の商品をチェックするのは困難 市場側で商品を各店に振り分けする作業が行われるのですが、そのさいに傷んでいる商品が選ばれることがあります 。市場も小売店と同じで各方面から仕入れた商品が在庫として残ってしまったり、検品が行えていなかったりするために、傷んでいる商品が無作為に入ってしまうのです。
またパック詰めや袋詰めになっている商品については、市場の卸売業者が加工したものも多く存在しています。
これらはスーパーの青果部門同様に、市場の仲卸業者が事務所で加工作業を行っているのです。
その 商品加工の過程で傷んでいる部分を取り除けないまま、商品化し流通してしまうことがある ようです。
これらの問題は 市場での商品管理にも問題がある 、ということを表しています。
卸売市場の商品はつねに新鮮だと思っている方も多いかと思いますが、内部事情を見ると必ずしもそうだとはいえないようです。
乱雑な扱いにより傷ついてしまった
また、 いくらキレイな品物でも、乱雑に扱っていれば傷んでしまいます 。
急いでいるからか、商品を扱うさいに投げつけるようにしたり、どすん!と音を立てて置いたりする担当者も少なくありません。
ほかにも爪が当たって商品の表面が傷ついてしまったり、落としてしまったりすることもあります。
青果物は少しの衝撃でもすぐに傷みとなってしまう ので、ていねいに扱わなければならないのですが、やはり忙しいと細かい部分まで気が回らなくなってしまうのでしょう。このように従業員の過失によって傷んだ商品は、再加工するもしくは見切り品となります。
お客さまが商品を触って傷ませてしまうことも
また従業員の過失だけでなく、 お客さまがべたべた商品を触って傷つけてしまったケースもあります 。
商品を1つずつ手に取って確認してから買う、という方は少なくないでしょう。
自分の手で触って鮮度をチェックしたい気持ちはわかりますが、それは他のお客さまも同じです。
不特定多数の人間が同じ商品を触ることによって、爪痕や指先の圧力によって、商品の劣化が早くなってしまう わけです。特に傷みやすい桃やいちご、いちじくなどの果実ではお客さまの触りすぎによって、傷んでしまったものが多くみられます。
それから 子どものいたずらによって傷ついてしまうこともあります 。
子どもは好奇心旺盛ですから、保護者が少し目を離したスキに勝手な行動をしていることは珍しくありません。
商品をつついたり、触ったりなど、子どもが何をするかは大人が想像できませんから、保護者の方にはしっかり監督していただきたいと店側は思っています。
ともあれ大人にしろ子どもにしろ、店側はお客さまの行動を制限させることができませんから、こればかりは不可抗力で仕方ありません。
ただし、同一人物が故意に商品を傷つけていることが判明した場合は別ですが…。
品物が傷んでしまう原因が店だけではなく、市場やお客さまにもあるだなんて、みなさん思いもしなかったのではないでしょうか。
そのため店側が鮮度管理や商品の扱いを丁重にしていても、お客さまの行動が悪かったりや市場側の管理が悪ければどうにもなりません。
お客さまについてはともかく、市場側の管理は権力を持ったバイヤーがいれば、改善要請を出してもらうことができます。
つまり、バイヤーから市場側に「うちの会社には良質な商品を回すようにしてほしい」と根回しするわけなんですね。
ところが市場側も相手を見て要請をのめるか判断しますから、力のないバイヤーが言ったところで効果はほとんどありません。
ですから鮮度が悪い店は売場の担当者はもとより、バイヤーの能力不足も原因であるのではないかと思われます。
この場合はバイヤーが変わらない限りどうしようもありません。
いつも行く店の青果物の鮮度が悪いとお悩みの方は、違うスーパーで買い物するようにしてみてはいかがでしょうか。
特に産地直送の仕入れで鮮度を売りにしている店を選ぶのがおすすめですよ。
また、より新鮮な青果物を手に入れたいのなら、ネット通販を利用する、町の八百屋さんに行くといった方法を取ることも考えてみてください。
八百屋さんとスーパー、そんなに違いがないのでは?と思っている方がいれば、それは全然大間違いですよ。