子どもから大人まで、みんなから愛されるフルーツの一つであるぶどう。
初夏になると色とりどりのぶどうが店頭に並び、その姿はまるで宝石のように見えますよね。
しかし、数多く品種の中からどれを買おうか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
今回は定番人気&高級ぶどうの品種をいくつか厳選して紹介します。
ぶどうは黒・赤・緑の3種にわけられる
ぶどうはブドウ科の木になる果実です。
その歴史は古く、紀元前からヨーロッパ地方で栽培が行われていました。
日本でも昔からぶどうは自生しており、そのぶどうは「山ぶどう」として区別されます。
奈良時代になると外来種である「ヨーロッパぶどう」が伝来してきましたが、ぶどうの栽培が盛んに行われるようになるのははそれからずっと先のことです。
明治時代になるとさまざまな品種が導入されるようになり、新しい品種も生み出されていきました。
現在では数多くの品種が店頭に並んでいますが、それらの品種は 「黒系ぶどう」「赤系ぶどう」「緑系ぶどう」と果皮の色ごとに大別されています 。
以下の項目では3種類のぶどうについて、それぞれ有名な品種をいくつか紹介していきます。
黒系ぶどう
果皮の色が黒っぽい、黒系ぶどう。
ぶどうらしいぶどうともいえますね。
有名な品種は巨峰やピオーネです。
巨峰/種なし巨峰
巨峰は日本で最も栽培されているぶどう です。 これぞキングオブぶどう! 粒が大きく、果肉は締まっていてジューシーで、甘みも強い ことから人気があります。このようなことから、「ぶどうの王様」と呼ばれているのだとか。
元々は種がある品種なのですが、近年では 種がない処理がされた種なし巨峰も出ています 。
種がないものにはちゃんと種なしとの表記があるので、簡単に区別することができます。
ピオーネ/ニューピオーネ
巨峰を親に持ち、その人気の高さゆえ 日本で3番目に栽培が多いぶどう でもあります。
巨峰と同様果粒は大きく、適度な酸味を兼ね備えた甘さでさっぱりとした味わい です。さらに香りもよく、脱粒しにくいため日持ちもします。
ちなみに香りのよさは、もう片方の親である「カノンホールマスカット」(高級ぶどうであるマスカット・オブ・アレキサンドリアのいわば親戚)から受け継いでいます。
ぶどうの王様である巨峰と、女王であるマスカット・オブ・アレキサンドリアの遺伝子が入っているなんて、贅沢ですねぇ~。
そんな食べる価値大有り!欠点なしのピオーネにも唯一、種が入っているというマイナスポイントが存在します。
しかしこの欠点を克服した ニューピオーネという種なしピオーネもあります ので、種が嫌な方はそちらを選びましょう。
赤系ぶどう
一見するとぶどうにはみえない、ちょっと珍しい赤い果皮のぶどう。
彩りがいいので、他の色のぶどうとセットにして贈るといいかもしれませんね。
ここではゴルビーとデラウェアを紹介します。
ゴルビー
果皮が赤色で粒がとても大きいぶどう です。 ルビーのような美しい赤ぶどう 果肉はジューシーで糖度が高く、甘みが強い のが特徴です。 種なしの処理がされている ので、そのまま食べられるのも嬉しいポイント。希少性が高いぶどうなので、贈答用にもおすすめ!
ちなみに聞き慣れないゴルビーという言葉は、旧ソ連(現在のロシア)の元大統領・ゴルバチョフ氏の愛称なんですよ。
このぶどうの大きく立派な姿形がゴルバチョフ氏を連想させることから、ゴルビーの名がついたと言われています。
デラウェア
巨峰など他のぶどうに比べてお手頃価格で買い求めやすいことから、 ぶどうの定番品種として人気が高い デラウェア。
実はアメリカ原産で、日本へ伝わってきたのは明治時代なんですよ。
そんなデラウェアは 小粒ながらも強い甘みと程よい酸味があります 。
また 種なしの処理がされており、とても食べやすいぶどう となっています。
緑系ぶどう
緑のぶどうといえばマスカットですよね。
シャインマスカットやマスカット・オブ・アレキサンドリアが特に有名となっています。
シャインマスカット
シャインマスカットは、高級ぶどうであるマスカット・オブ・アレキサンドリアの欠点を改良する過程で生み出されたぶどうです。
マスカット・オブ・アレキサンドリアの大きな欠点といえば種があることなのですが、この シャインマスカットには種なしの処理が施されています 。
見事、欠点を克服できたというわけなんですね。
粒の大きさ、マスカット香、糖度が高く酸味が少ない などといった部分は共通しています。つまりマスカット・オブ・アレキサンドリアのいいところを受け継ぎながらも、手ごろな価格で入手できる非常にお買い得なぶどうとなっています。
マスカット・オブ・アレキサンドリア
マスカット・オブ・アレキサンドリアはぶどうの女王と呼ばれており、高級ぶどうとしてもよく知られています 。そして、日本におけるマスカットの代名詞ともなっています。
原産は北アフリカで古くから存在している、歴史のあるぶどうです。
クイーンオブぶどう!日本には明治時代に伝来し、生食の他ワインの原料に使用されるなどさまざまな用途に使われています。
最大の特徴は、 マスカット香という特有の香りが強い ことです。
ちなみに”マスカット”とは、マスクメロンのマスク(MUSK)が語源とされ、じゃこうのような香りがする、という意味があります。
その他の特徴として、 粒が大きく甘みが強い という点が挙げられます。
種があるので注意してください。
種なしが主流!輸入ぶどう
輸入ぶどうも、国産ぶどう同様にさまざまな品種が存在しています。
しかし店頭で取り扱われる品種は、主に2~3種類程度しかないところがほとんどです。
有名な品種には緑系ぶどうのトンプソン、赤系ぶどうのクリムゾンなどがあります。
主な特徴として種なし(シード・レス)ということをうたっており、また価格も国産のものよりもお手頃 となっています。もちろん味も、甘みがあっておいしいですよ。
国産品にこだわらないのならば、食べやすく買い求めやすい輸入ぶどうをおすすめします。
主な産地
輸入ぶどうの場合はアメリカ産とチリ産 が主な産地になっています。 国産ぶどうは品種によって若干異なってきますが、山梨・山形・岡山・長野 が主な産地と言えるでしょう。では、詳しく品種ごとの産地を見てみましょう。
巨峰は長野・山梨、ピオーネは岡山・山梨、ゴルビーは山梨、デラウェアは山形・山梨、シャインマスカットは長野・山形・岡山・山梨、マスカット・オブ・アレキサンドリアは岡山となっています。
ここで山梨・長野・山形の3県は寒冷地ですが、岡山だけ温暖地だということが不思議に思いませんか?
どうやら岡山は温暖地にもかかわらず、ぶどうの栽培に適した風土となっているようなのです。
なかでもマスカット・オブ・アレキサンドリアが日本で唯一生産されていることもあって、岡山は隠れたぶどう県ともいえるでしょう。
鮮度チェック方法
ぶどうのチェックポイントは、枝と果粒の2か所 になります。まず枝の色を見て下さい。
新鮮なものは枝が綺麗な緑色をしていますが、古くなってくると枯れて茶色に変色 してしまいます。果粒が綺麗でも枝が茶色い場合は見た目だけの問題で、抵抗なく買う方も多くいらっしゃいます。
しかし新しいものと比べるとどうしても見劣りしてしまいますから、店側としては値引きをするなどの対処をしています。
次に果粒ですが カビが生えているものは論外として、果皮が裂けてしまっているものも避けましょう 。
果皮が裂けているということは、外気に中の果肉がさらされているわけで、傷みやすくなってしまっています。
その部分からカビが生えてくるのも、時間の問題といえるでしょう。
最後に 脱粒(粒が枝から抜け落ちること)していないか どうかも重要です。
ちなみに脱粒が起こっているぶどうは、枝が枯れてしまっていることがほとんどですから、やはり枝の色は要チェックポイントですよ。
さまざまな品種を紹介してきましたが、お好みのものは見つかりましたでしょうか。
巨峰やデラウェアといった王道ぶどうもいいですが、たまにはゴルビーやマスカット・オブ・アレキサンドリアのような希少高級ぶどうを選んでみるのもいいですよ。
また近年では種ありの品種でも種なしに改良されたもの、手ごろな価格で美味しく食べごたえのあるものなど満足度の高い品種が多数店頭に並んでいます。
このページに紹介されていない品種でも、まだまだおいしくて人気のあるぶどうはたくさんありますから、ぜひ店頭でチェックしてみてくださいね!
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