スーパーの営業時間短縮は、世の中を反映している?!-大きな2つの要因-

時計

近年、いろいろなところで営業時間の短縮が相次いでいます。

営業時間が短縮されるのは、コンビニ・スーパー・百貨店・ファミレス・ファストフード店といった小売業と飲食業がほとんどを占めています。

行きつけのお店が、営業時間短縮となって不便な思いをしている人もいることでしょう。

しかし今のご時世を考えると、小売店や飲食店の営業時間短縮は必然なのです。

その理由は、ずばり少子高齢化とインターネットの普及です。

少子高齢化とインターネットの普及が、営業時間短縮を推し進める要因となっているわけなんですね。

この2つの要因だけでは具体的になぜ営業時間が短縮されるのか、いまいちわからないかもしれません。

そこで今回はスーパーに注目して、営業時間が短縮される詳しい理由を探っていきます。


人手不足で従業員が集まらない

 営業時間を短縮する一番の理由として言われているのは、人手不足ということ です。

たしかに肝心の人手がなかったら、営業したくともできませんよね。

もともとスーパーは給料が安かったり、長時間労働であったりなどで人手不足となっています。

さらに人手不足に拍車をかけている理由として、少子高齢化で働き手が減少していっていることが挙げられます。

早朝や深夜の時間帯に働いてくれる若者自体がいなくなってきているのです。

また無理して営業をしていたとしても、早朝・深夜のお客さまも減少しているため、採算が合わないことも多くなっています。

働いてくれる従業員も少ない、来てくれるお客さまも少ない現状ですから、営業時間を短縮するのもやむなしですね。

働き方改革の促進で、長時間労働に歯止めがかかった

スーパーの従業員は営業時間の長さから、朝早くから夜遅くまで働かざるをえない労働環境にあります。

開店前に出勤し閉店近くまでいることもザラで、一日の実働時間は軽く10時間を超えることも…。

このような過酷な長時間労働を問題視する声は、近年高まってきていました。

それはNG長時間の労働はしない、させない環境に

そこで国は働き方改革の一環として、長時間労働の是正をすることにしました。

長時間労働の是正には、会社が従業員に長時間労働をさせない環境を作ることが求められます。

 長時間労働させないための対策として会社が考えた結果、「営業時間を短くすれば、労働時間も短くなる」という結論にいたった わけなんですね。

早朝や深夜の売上なんてたかが知れてますし、人手不足でもありますから、営業時間を短縮するのは会社にとっても、従業員にとっても好都合なわけです。

ネット通販の拡大で、店で買い物する人が減少した

いまや買い物をすべてネット通販ですませる、という人も珍しくありません。

ネット通販はいつでも自分の好きな時間に、じっくり商品を吟味して買うことができますから便利ですよね。

スマホを使う女性スマホひとつで、いつでもどこでも注文完了!

特に小さなお子さんがいる家庭や、自宅で仕事をしているフリーランスの方にとって重宝されています。

注文すればその日に配達してくれるサービスがあったり、生鮮品もクリックひとつで買えるというのも、ネット通販の大きな強みとなっています。

しかし、スーパーにとってはネット通販を利用する人が増えると正直困ってしまいます。

なぜなら、実際にお店に来て買い物をしてくれるお客さまが減ってしまうからです。

実際にお店がすぐそこにあっても、面倒くさいからネット通販で注文してしまう人も増えてきているようです。

なんでもネット通販で注文できるようになってしまって、わざわざ店に足を運ぶ理由がなくなってしまったわけなんですね。

 スーパーみずからもネット通販の需要にあやかって、ネットスーパーを立ち上げていますが、このことがますます実店舗の客数減少に拍車をかけています 

そのため昼間はともかく、早朝や深夜に営業をしても誰もお客さまが来ないという世の中になってきているわけです。

お客さまがいない時間帯に営業していても、赤字になるだけで何のメリットもありませんから、営業時間の短縮も当然でしょう。

コストに見合うだけの売上が見込めない

営業時間を短縮する理由として、コストに見合うだけの売上が見込めないことも一因となっています。

コストというのは店を営業していくうえで不可欠な人件費や光熱費を指しますが、これらの負担額は相当大きなものとなっています。

早朝・深夜の従業員には割増賃金が必要でコスト高

特に早朝や夜間に従業員を雇うと、割増賃金を払う必要が出てきます。

割増賃金とは、夜10時~翌朝5時に働く従業員に対して支払わなければならない手当のことです。

ちなみに早朝・深夜のバイトの時給が高いのは、この割増賃金がついているからなんですよ。

 早朝や深夜に高い賃金を払って従業員を雇っていても、お客さまが少ないため、売上が人件費を上回るのはよほど繁盛しているお店でなければ難しい のが現状です。

照明や空調など、光熱費もバカにならない

 人件費とともに負担となるのが、照明や空調といった設備にかかる光熱費 です。

これらの設備は、店を開いている間はずっと動かし続けていなければなりません。

いくらお客さまがいないからといって、照明を消したりなんてことはできませんからね。

「節電」の名目で光熱費削減に取り組んでいる店もありますが、えてしてお客さまからの反応はよくないですね。

店内が暗いと買い物する気もなくなりますし、なにより生鮮物の鮮度感もわからなくなってしまうなど、お客さまからするといいことなど一つもないのです。

従業員にとっても薄暗い中での作業は効率も悪く、仕事のモチベーションもあがりません。

正直、照明や空調をケチっていると、お客さまからの信用もなくなってしまいます。

ムダに光熱費を払うくらいなら、思い切って営業時間を短くするほうが、従業員のためにもお客さまのためになります。

商品の充実などでコンビニがスーパー化している

スーパーは行かないけれど、コンビニには行くという人も多くいます。

特に若者にその傾向が顕著です。

最近のコンビニはスーパーに負けず劣らずの品揃えですし、なによりお弁当や惣菜も充実していておいしいですよね。

野菜や果物といった生鮮品も、コンビニで買えるようにもなってきました。

しかしコンビニがスーパー化すればするほど、スーパーの客足へ大きな影響が出ます。

 食品・日用品・雑貨・雑誌など、なんでもコンビニで買えるのなら、わざわざスーパーに行く必要がなくなります からね。

つまり、 スーパーはコンビニに客足を取られることも多くなってきたため、営業時間を短縮せざるをえなくなっている のです。

昔はコンビニとスーパーのすみわけができていましたが、その境目がだんだんなくなってきていますね。

しかもコンビニにはスーパーにはない、大きな特色があります。

マルチメディア端末による多彩なサービスの提供、コンビニでしか買えない限定商品の取り扱い、さらに一番くじなど楽しいイベントの実施など…。

こうして考えると、スーパーがコンビニに勝っているところは、もう価格と生鮮品くらいしかないですね。

娯楽が多様になるなど、時間の使い方が変化した

時代の変化とともに、個人のライフスタイルも様変わりしました。

仕事が終わったら、すぐ家に直帰する人も多いのではないでしょうか?

言い換えれば、 仕事が終わってから飲みに行ったり、遊びに行ったり、買い物をしたりする人が減った ということでもあります。

現代の若者の娯楽はスマホやパソコンでゲームをしたり、SNSでやり取りをしたりで、昔のように深夜までブラブラ出歩く人は少なくなりました。

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管理人

10年くらい前までは、若者が深夜にドンキでたむろするのが当たり前の光景でしたね。もっぱら暇つぶしなわけですから、他に夢中になれるものがあれば、ウィンドウショッピングなんてしなくなるわけです。

そのため 遅い時間まで営業していても客数が少なく、利益になるほどの売上を出すことが難しくなってしまった のです。

利益よりコストがかさむようでは、赤字になってしまいます。

営業時間を短くしてムダなコストを削減するのも、当然のことだといえるでしょう。


店の営業時間を短縮する理由をいろいろ紹介しました。

そのなかでも特に人手不足であることと、ネット通販が拡大したことが大きく影響しているのです。

記事の冒頭で「少子高齢化とインターネットの普及が、営業時間短縮を推し進める要因だ」と言いましたが、言うなればこれは世の中を反映しているといえますね。

少子高齢化で労働人口が減って人手不足になり、インターネットの普及でネット通販が拡大し実店舗の利用者が減ったわけなんですから。

店の営業のあり方はその時代によって変わって当然で、そのやり方に追従できない会社は生き遅れてしまいます。

今の時代はそれが、営業時間の短縮化だったというわけなんです。

深夜に店を利用していた人にとっては不満があるかもしれませんが、コスト以上に利益が取れなければ営業を続けることは難しいので、ご了承くださいませ。


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