冬から春にかけてピークを迎える野菜として、れんこんとふきは有名ですよね。
どちらも煮物にして食べると、日本の和を感じることができるのではないでしょうか。
さて、そんなれんこんとふきは葉の形がよく似ていて、まるで兄弟種のように感じられますよね?
果たして、この両者は兄弟なのか、全く関係ないのかについてみていきましょう。
在来種は貴重!中国がルーツのれんこん
れんこんはハス科の植物で、漢字表記では「蓮根」となります。
このことから「蓮の根の部分がれんこん」と思われがちなのですが、実際は根ではなく、地下茎の茎が大きくなった部分を指します。
さらにすべての蓮が食用のれんこんとなるわけではありません。
蓮には食用と観賞用の2種類存在しており、観賞用のものは食用には適していませんから、注意が必要です。
原産は中国もしくはインドといわれており、 日本へは奈良時代に中国から伝来し、この時に各地で根付いたものが、在来種 となっています。
それから明治時代になると、 再び中国から新しい品種が伝来しそれを改良した中国種が、現在多く流通しています 。
それではさらに詳しく、在来種と中国種についてみていきます。
在来種
古来に中国から伝来し根付いているれんこんは在来種になります。
細長く茶色っぽい色 をしており、中国種とは若干見た目が異なっています。粘りが強く、柔らかめの肉質で味も良好 です。
現在では手間がかかるためごくわずかしか栽培されておらず、希少なものとなっています。
中国種
明治時代に中国から入ってきた品種を改良したれんこんです。
現在流通しているれんこんのほとんどが、この中国種のものになります 。 細長い在来種に比べて太く短く、白っぽい色をしておりシャキシャキで歯触りが良好 です。ふきのとうでもおなじみ!ふき
ふきは日本原産で、キク科フキ属の多年草となっています。
普段私たちが食べているのは葉と茎の接続部分である葉柄(ようへい)という部分と、花のつぼみの部分になります。
つまり 葉柄の部分がふき、つぼみの部分はふきのとう となっているわけです。
古来から栽培されており、 現在多く流通しているの愛知早生ふき という種類のものになります。
他にも秋田ふきや自生の山ふきなど、いくつかの品種が存在しています。
愛知早生ふき
現在主流となっている、栽培物のふきです。
長さは1mほどで、やわらかめの肉質 。アクや苦みは少なめ です。
山ふき
栽培ものではなく自生のふきを山ふきと呼びます 。その中でも良質のものを野ふきとして、区別していることもあります。 茎が細く、長さ30~40cmほどと短いふき です。
根元が赤く色づいています 。
佃煮やきゃらぶきに適しています。
秋田ふき
葉柄の長さが最大でなんと2mほど、直径は5~6cmにも達する巨大なふき です。その名が表すとおり、秋田の名産物でもあります。
繊維が固いことから、主に加工用として流通しています 。主な産地
れんこんの主な産地は茨城 で、全国シェアの約半数を占めています。れんこんといえば、茨城というほど有名ですよね。
しかし石川の加賀れんこんなど、特定の地域でブランド化され知名度のあるれんこんもあります。
ふきの主な産地は愛知 となっています。秋田ふきで有名な秋田は、実はそれほど生産量はありません。
鮮度チェック方法
れんこんとふき、それぞれについて紹介します。
れんこん
れんこんの場合は、主にカットされて販売されています。
ですから、カットれんこんの鮮度チェック方法をみていきます。
まず、 全体を見て白っぽくカビていないかチェック してください。
れんこんのような土物がカビるということは、よほど劣化していなければ普通ありえませんが、たまにあります。
次に、カットされている断面を見てみましょう。
断面が白っぽく乾いた様子であれば、カットされてから時間が経過している ものになります。切りたての断面はみずみずしく、場合によっては糸を引いていることもありますから、見慣れれば容易に判別が可能です。
これらの様子は、節目でカットされているものはわかりにくいのですが、節の途中で切られているものだとすごくわかりやすいです。
そして断面の穴の奥の色にも目を光らせて下さい。
一見誰も気にしないような部分ですが、 この部分が茶色く変色していると劣化のサイン になります。
ふき
ふきは多少長さがあってもカットせず、そのままの状態で売場に出されていることが多いです。
主に 葉の部分が溶けてきていないか、茎のような部分が茶色く変色していないかをチェック します。
葉が切り落とされたり、カットされた状態で売られているものは、変色していないかどうかがポイントとなります。
いずれにせよチェックポイントが少ないので、一目で容易に判別ができるのではないかと思います。
どうやらこうしてみると、れんこんとふきは全く関係ない別物だったんですね。
葉の形や用途こそ似ているものの、分類からしてハス科とキク科で異なっていますし、縁もゆかりもないということです。
とはいえ、どちらも煮物で食べるとおいしいことには間違いなし!
調理が面倒な方は水煮のれんこんやふきを使用すると、手間もかからずおすすめですよ。
また、れんこんは縁起物の1つでもありますから、祝辞の際にはれんこんを是非食べてみてはいかがでしょうか。
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