とうがらし・ししとう・ピーマン・パプリカ…みなさん、これらの野菜に共通点があるのですが、なんだかわかりますか?
とうがらしとししとう、ピーマンとパプリカはなんとなく似た物同士って感じがしますよね。
しかし、とうがらし・ししとう組とピーマン・パプリカ組の間には一見関連がなさそうにみえますが…その共通点とは、一体なんなのでしょうか。
ししとう・ピーマン・パプリカは辛くないとうがらし?!
まずはじめに、とうがらしはナス科トウガラシ属の果実です。
原産は中南米で、日本へ伝来したのは16世紀ごろといわれています。
ナス科トウガラシ属の果実は他にも多数存在し、 とうがらしをはじめとして、その他にもししとうやピーマン、パプリカもその仲間 なのです。
これらはとうがらしのなかでも、甘味種という辛くないとうがらし(甘とうがらし)に分類されています。
以下では、とうがらし・ししとう・ピーマン・パプリカについて、それぞれ詳しくみていくことにします。
とうがらし
とうがらしの特徴はなんといっても辛さにあります。
ちなみに、とうがらしを漢字表記すると「唐辛子」となるのですよ。
実はとうがらしには色が赤いものと青いものの2種類あり、成熟しているかどうかによって色がわかれているのです。
未成熟のものは青く(緑色)、成熟する赤くなるのですが、これはピーマンなどの甘とうがらしも同様 となっています。
有名な品種には国産の鷹の爪、外国産ならハバネロやタバスコがあります。
ししとう
ししとうはししとうがらしの略名で、辛くないとうがらし・甘とうがらしの1種 となります。通常とうがらしの表皮が赤色なのに対して、ししとうは表皮が緑色となっていますが、これは上記でも述べたように成熟度合いによって色が違っており、ししとうは未成熟なため表皮が緑色なのです。
甘とうがらしゆえ辛味はあまり感じないのですが、個体差があり、辛いものが混じっていることも あります。これは外見上では判別することができませんので、ご了承ください。
ピーマン
ピーマンはナス科トウガラシ属の野菜で、ししとうと同じく 甘とうがらしの1種 です。
とうがらしが品種改良されて生まれたもので、日本へは明治時代に伝来したとみられています。
その後、戦後になって広く普及しました。
このことから、意外と歴史の浅い野菜ということがわかりますね。
みなさんもおなじみのように、基本的には表皮が緑色ですが、成熟すると赤色に変化します。
この性質もとうがらしやししとうと同じものになります。
そうして 成熟したものは赤ピーマンと呼ばれ、緑色のピーマンよりも甘みが増して、苦みが減少 しています。
赤ピーマンのように、 緑色以外の色がついたピーマンはカラーピーマンとも 呼ばれています。
広義にはパプリカもカラーピーマンとなっています。
パプリカ
ピーマン同様に 甘とうがらしの1種であり、またカラーピーマンでもあります 。
主に赤・黄・オレンジ色のものが多く存在しており、例によって未熟なものは緑色をしています。
肉厚で、糖度が高いことが特徴 となっています。苦みや青臭さがないため、生食にも適しています。
主な産地
それぞれの主な産地は とうがらしが大分、ししとうが高知、ピーマンが茨城・宮崎、パプリカは宮城・茨城 となっています。
しかし とうがらしとパプリカは、輸入物の割合も多く、両方とも韓国からの輸入が主流 となっています。
結構産地がバラバラなので、あまり温暖地か寒冷地かなどといった気候面は生産に影響しないようですね。
鮮度チェック方法
とうがらし・ししとう組とピーマン・パプリカ組とでは多少鮮度チェックの方法が異なっています。
とうがらし・ししとう
まずとうがらし・ししとうについてですが、 表面につやがあるかどうかをチェック してください。
新鮮なものは綺麗なつやがありますが、劣化するとだんだんつやがなくなってきます。
それから、 表皮にしわがよってきているのも劣化のサイン となります。
とはいえ、パック詰めされていることが多いとうがらしやししとうは、なかなかチェックが難しいのも実情なんですよね。
カビが生えていたり腐っていることも ありますが、その方がまだはっきりと傷んでいることがわかりやすく、売場から除外できるので楽なんです。
ピーマン・パプリカ
次に、ピーマン・パプリカ組。
こちらはまず 表皮にしわがよっていないかどうか を見ましょう。
つやの有無は、こちらではあまり関係ありません。
次に、表面を軽く押してみてください。
その際、 弾力がある感じならいいのですが、ぶよぶよとしていたら古くなっています 。
(袋詰めされているものだとなかなか確認しにくいですが…)
もちろん 腐っているものは論外 ですよ。
あと1つ注意してほしいのが、ピーマンが赤く変色してきた場合についてです。
赤く変色するのは、成熟しているからということは何度もこの記事中にお伝えしました。
赤ピーマンとも呼ばれ、それ単体で売り出されることもあります。
しかし、 あくまで緑のピーマンとして入荷したものに関しては、赤く変色したものはアウト です。
全然傷んでいるどころか、むしろ甘くなっておいしいんですけどね。
私は赤くなりかけたピーマンは、残念ながらおつとめ品に回しています。
以上のように、上記全て含めたとうがらし類は、非常に鮮度チェックが行いにくい曲者となっています。
恐らく、毎日触っている担当者でも正確に見分けるのは困難なのではないかと思います。
ピーマンやパプリカは回転率が速いためまだいいとして、ししとうは劣化に気づかないまま売場に出ている可能性もあります。
ですから、購入の際は念入りにチェックするといいでしょう。
なんと、ししとうもピーマンもパプリカも全てとうがらしの仲間だったんですね。
ししとうは形が似ているのでわからなくもないですが、まさかピーマンもパプリカもだなんて、ちょっと意外ではないですか?笑
そして、未熟なものは緑色で成熟なものは赤色という共通点も、盲点でしたよね。
言われてみれば、確かに…と納得ですよね。
でも、この4つのうち辛味があるのはとうがらしだけで、あとの3つは甘とうがらしというのは、なんだか不思議ですよね。
辛味成分はどこへ行った?!って感じですもの。
さらに言うなれば、これらはナス科なんですよね。
とうがらしもピーマンも関係ないという…。
うーん…野菜って、奥が深いですね。
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