スーパーはたびたびリニューアルオープンを行います。
そのさい’リニューアル記念セール’などと銘打って、派手に宣伝するのです。
そんな告知を見たら、気になってリニューアルしたスーパーに行ってしまいますよね。
しかし実際に行ってみるとどこをリニューアルしたのか、わからないような店も多々存在します。
はたして、スーパーがリニューアルする真意とはいかに…?
ささいな変化をリニューアルと誇大表現している
そもそも 店側のいうリニューアルは、「何らかの変更(変化)を加えましたよ」というアピール にすぎません。
たとえば取扱商品・什器・取扱商品・サービスの変更などを行った場合、リニューアルまたは改装とみなしているわけです。
ヘタすれば壁紙を変えた・照明を変えただけということもあります。
ふつうリニューアルといえば大々的な変更を加えることを意味するのですから、 少しの変化でもリニューアルと称するのは誇大表現 といえるでしょう。
客寄せイベントの1つという位置づけ
たいした変化もないのにわざわざリニューアルと称して大々的に宣伝する理由は「とにかくお客様を呼び込むため」 です。特に近辺の競合店にお客さまを奪われてしまった店は、このチャンスを利用して再び自店にお客様を呼び戻す足がかりとしています。
人間の心理として”新しいこと・ものには興味が惹かれる”という性質があり、特に日本人はその傾向が強いともいわれています。
ですからリニューアルオープンと聞けば、気になって一度は店に足を運んでしまうというわけです。
そのことを店側は周知しているので、 お買い得商品を多数揃えたり、詰め放題など特別なイベントを開催したりして、最終的にはお客さまにお金を落としてもらおうとしている わけです。
スーパーなど小売業が売上をつくるためには、まずお客さまに来店してもらわなければ始まりません。
そのためこのような手法を使って、とりあえずお客さまに来店してもらうわけです。
簡単にいえば、 リニューアルとはお客さまの来店を目的とした大きなイベントの1つ であるというわけです。
リニューアルが失敗してしまうことも
しかしリニューアルイベントで集客したあと客足が伸びるかどうかというと、必ずしもよくなるとも限らないのです。
どこが変わったのかわからないようなリニューアルでは、客足が伸びるどころかむしろ遠ざかっていく 一方なのです。お客さまからすれば、大きく変化したんだろうと期待してきたのにだまされたわけですから、そんな店で買い物をしようとは思いませんよね。
店に対する信用がなくなってしまったともいえます。
そして 客足が伸ばせないということは売上も伸ばせない、つまり費用対効果が得られず投資した分がマイナス になります。
投資分がマイナスということは、リニューアルする意味がない=失敗に終わった ということになります。成功といえるリニューアルとは
店としては、当然リニューアルして成功させなければなりません。
ここでの成功とはつまり、リニューアルする前よりも売上や利益が上がった状態をさします。
成功に導くリニューアルとは、お客さまの立場を考え、お客さまが満足する店に進化させること になります。お客さまにとって有益なサービスを始めたり、利便性が向上したりといった改善を行ったリニューアルならば、お客さまの満足度は高くなりリピート率(再訪してくれる率)も向上します。
リピート率が高くなる=常連が増える=売上も伸びていくので、リニューアルしたかいがある=成功 といえるわけです。常にお客様の満足度を高められるよう、何が求められているのかのリサーチを、経営陣はしていく必要があるといえるでしょう。
リニューアル時の宣伝文句は「さらに便利になりました!」「お客様のご要望にお応えして」などといった言葉が多くなっています。
いかにもお客様のために!!ということを打ち出していますが、結局は店側の利益を重視した戦略のもとで行われているのです。
つまり、リニューアルは集客したいがための大きなイベントなんですね。
什器や商品の配置が変わる理由も、実際のところはお客さまを考慮してというより、従業員が作業しやすくするためということが多いのです。
少し話はそれますが、パチンコ店はよくリニューアルオープンを行うことで知られています。
それでも変化はせいぜい機種ラインナップの変更や、機種の配置変更などで、店の根底をくつがえすような変更が行われることはあまりありません。
ひどいところだと、従業員の制服が変わっただけでもリニューアルオープンとみなしているところもあります。
このようにリニューアルオープンといいながらもたいしたことがないというのは、スーパーに限らないわけなんですね。
どこもかしこも、リニューアルオープンはただのイベントとしてしかみなされていないようです。